登校風景

そんな事故はありつつ、無事(?)に朝食を済ませた僕たちは自分達の準備をしていた。ちなみに、王女様の着替えは僕の家に常備されているので問題はない。翡翠さんは自分で持っていた。理由が汚れたときにすぐに証拠隠滅ができるようにだとか。


「……まぁ、証拠を残すのはだめだよね。」


深くは考えないようにしよう。


そんなこんなで各々の準備ができたから登校したのだけれど……


「零。あの不快な目を向けてくる愚民の目をつぶすことはできないのかしら?不快なのだけど。」


「さすがに無理ですよ。王女様の命令とは言え、今できないですよ。」


「……私が消してきてあげようか?零。」


「ははは……氷翠さんそんなことしちゃダメですよ?」


「手を握ってつなぎとめておかなくちゃ消しちゃうよ?」


「わかりましたからどこかに行かないでくださいね。」


「零!そんなアバ……そんなヤツの手を握るんじゃないわよ!そんな手を握るくらいなら特別にワタシの手を握らせてあげるわ!」


「アハハ…」


そんな感じで氷翠さんと王女様が僕にどちらの手を握らせるかで争っていた。ちなみに、王女様と氷翠さんに邪な目を向けてた人たちは、なぜかわからないけどうずくまっていたよ。なんでだろうね?


「僕の手は二つあるのでどっちの手も握ってあげますから。」


そう言って僕は、二人の手を握って歩き出した。


この道小石多いから処理に困らなくていいね。王女様を転ばせてしまうかもしれないのも排除できて一石二鳥だよ。


―――


ちなみに、零が他の人と登校するのは初めてだったりする。王女様とは学校で会うのが基本だった。






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メンヘラの幼馴染と依存させてこようとする高嶺の花に挟まれる僕。 そこらにいるウナギ @rein04

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