私は私。
前書き、後半は氷翠の過去編です
「僕は……僕は彼女を守るって決めたんです。あの時から。」
だからもう。
「アナタは邪魔です。氷翠さん。」
王女様のためなら。僕は壊れたっていい。
「……どいて。零。」
そのあとからは何をしていたのかは覚えていない。気が付いた時には。
最終的に立っていたのは僕だった。
とはいえ、こんなところに女子を置いておくにはいけないと思った僕は二人を抱えて自分の家に戻ることした。まぁ、氷翠さんは縛っておいたけど。怖いし。
「よいしょっと。あらぬ誤解を受けるのも嫌だからさっさと帰っちゃおう。」
僕は2人を担いで家に帰った。屋根の上を走って移動したから多分見つかってないと思う。
氷翠視点
これは夢なのだろう。
それはまだ私が小さかったころ。
あの地獄の記憶。
私は生まれてすぐにある施設に入ることになった。私を生んだ両親がどのような人なのかは全くわからない。覚えているのは怒号と悲鳴。そして、焦げ臭いにおいだけだ。
その施設は窓もなく、厳重に封じられていた。それもそうだろう。そこで行われていたのは所謂、蟲毒だった。
ある程度育った私は沢山の同じ年齢であろう人たちと纏めてある部屋に投げいられた。そこでは、たくさんの人たちが殺し合いをしていた。
そして、ただ一人が食べていた。名前も知らない人を。
生き残るためには殺さなきゃいけなかった。
生き残るためには食べなきゃいけなかった。
だから私はすべてを壊した。
なにもかも。人も建物も。
そして私はすべてを食べた。
なにもかも。人も液体も。
そして気づいたときには、制御しないと何もかも壊してしまう力を身に着けていた。
そのかわりに、感情が表れにくくなってしまった。
でも。ひさしぶりに感情が現れた。
楽しかった。面白かった。うれしかった。
力を制御しなくても壊れなかったから。
私が思うことは一つだけ。
【私の隣にいてくれる人がほしい。】
それは、零だと感じた。
後書き、ラブコメ路線に戻さなきゃ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます