高嶺の花

「んー!終わったぁ。」


6時限目の終わりのチャイムが教室に響き渡った。僕も帰りの支度をしていたのだが、先生が声をかけてきた。


「あー、零。この後空いているか?」


「あ、先生。あいてますよ。」


「実は穂香…じゃない、君の王女様のことなんだが……ほかの生徒から君がいじめを受けていると言われてな。その事実確認をしたいのだが…」


「わかりました。どこに行けばいいですか?」


「職員室に来てくれ。そんなに急がなくてはいいぞ。」


そういって、先生は教卓に帰っていった。


~1時間後~


結局、いじめの件は無罪ということになった。まぁ、僕が王女様にいじめられているわけないしね。


「急いで帰んないと…今日は夕食何にしようかな。」


今日の夕食を考えながら帰路についていると…


「……ん?」


少し離れたところから不穏な声が聞こえた気がする。


声が聞こえた方向を見ると、いかにも不良ですよ。と恰好をした男たちが何かを囲んでいるようだ。しかも、裏路地みたいなところだから周りからは見えない。


僕はその様子を屋根の上から見下ろしていた。


「退いてもらえますか?」


「へへへ……そんなことよりねーちゃん。俺らと遊ぼうぜ?」


えーっと…たしか、氷翠ヒスイだっけ?学校の高嶺の花とか言われてた気がする。


「どうでもいいです。どいてくれませんか?最後の通告です。」


「へへ。強情だねぇ……でも、こんな場所で……」


男の言葉は続かなかった。まぁ、僕が蹴り飛ばしたからだけど。そんなことより。


「氷翠さん。そんな刃物を振り回すのは危ないと思うな。」


「……何者ですか?」


「僕?零っていうんだ。よろしく。」


「……ただものではないですね。私の攻撃を見切るなんて。」


そう。彼女は彼らを殺そうとしていた。






後書き

ラブコメか……?これ。

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