メンヘラの幼馴染と依存させてこようとする高嶺の花に挟まれる僕。
そこらにいるウナギ
歪な主従関係
チャイムが鳴り、お昼休みの時間になる2分前。授業も粗方終わり生徒たちの間では、弛緩した空気が流れる。
が、僕は違う。
王女様に数量限定の菓子パンを届けるという仕事が待っている。そこには、弛緩した空気など流れるはずもなく、物々しい雰囲気を纏っていた。
そして、チャイムが鳴り号令が終わった瞬間、僕は全速力、そして最短で購買まで飛び降りた。
「メロンクリームパン、ホイップ増量を一つください!」
体を痛めながらも3階から1階に下りた僕は、購買のおばちゃんに注文する。毎度のことながら、生徒たちは誰も並んではいなかった。
「はいよ。こぼさないようにしなよ。ま、アンタにはいらないかもしれないけどねぇ。」
「ありがとうございます!」
僕は用意していた小銭を置き、窓から外に出る。もちろん、ホイップの形は崩れないように、揺らさないように気を付けながら。
そして、窓の縁に足を引っかけて屋上に登ってから王女様にメロンクリームパンを差し出した。
「ふん。奴隷にしては早いじゃない。」
そこには、僕の王女様で幼馴染が座って待っていた。
僕は、彼女にクリームパンを差し出した。
「王女様。これでよろしいですか?」
「いいわ。今日は…ミルクティーを持ってきなさい。2分で持ってこなかったらお昼は食べちゃだめよ。」
「わかりました!ミルクティーですね。今すぐにお持ちします。」
そのまま、僕は屋上を飛び降りて1階の自販機でミルクティーを買うと、最初の要領で戻った。
結局、2秒ほど遅れてしまい、お昼は食べることができなかった。
まぁ、どうせ時間間に合っても忙しくて食べる時間はないから、そんなに変わらないけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます