第8話 夏のプールって実際あまり涼しくない
「先輩、今年もう泳ぎに行きました?」
”今日も暑いな~。でもダイジョブ、昨日ワー〇マンに行って
[冷感タイプのシャツ・パンツ、水で濡らして使う気化熱式スカーフ]の三点セットを購入してきたから。これで思考もばっちりだ♪”などと、取り留めのない事を考えながら聞いてみた。
「いや、今年はまだ行ってないが。なんだ高橋、プールにでも行きたいのか?
今の時期、どこも混雑しているんじゃないか?」
「そうなんですよね~、暑いから行ってるのに余計ダルくなるような気がして、躊躇しちゃうんですよね。」
「そう言う口ぶりだと、お前はよくプールに行ってるのか?当然友達を誘ってだと思うが。」
「中二の頃まではよく行ってましたね、去年はさすがに行きませんでしたが。
隣の区の医療センター脇に市民プールが有ったじゃないですか、国道から見える奴。流れるプールと滑り台の有る所です。
でもあそこ、去年取り壊しになっちゃったんですよね。
なんかショッピングモール作るらしいですよ。」
そいえばこの辺ショッピングモール多くないか?そんなに競合して経営大丈夫なのか?
「あぁ、あそこなら私も行ってたぞ。夜中に忍び込んだ馬鹿が、滑り台の下に張られたロープで首釣って亡くなった事故があった所だろ。しばらく滑り台が使えなくなって憤慨したものだ。
あそこ無くなったのか。最近行ってなかったからな~ 。」
「そうですよね、ちょっと足が遠のくと全然変わってるって事よくありますよね。
まぁ、それは置いといて、よく小説だと主人公とサブヒロインがプールに行って、本命ヒロインとばったり出くわすとかあるじゃないですか?
あれっておかしくないですか?」
”おいおい、後輩が久しぶりにおかしなことを言い始めたぞ。”的な顔をする先輩。そんなに変だろうか?
「考えてもみてくださいよ、学園モノなら大体同じ学区じゃないですか、生活圏は被るんですよ?なんでわざわざ見つかるようなところに行く?主人公馬鹿じゃないの?
サブヒロインに踊らされまくってません?」
「お、おう。なんか溜まってないか?高橋。」
「それにですよ先輩、タイミングよくヒロイン登場ってのがおかしいんですよ。サブヒロインに協力者がいるの明白じゃないですか。こいつら思いっきり嵌められてますよ。
逆に主人公が知っていたけど知らないふりして踊らされてるってんなら、相当なゲスですよ。」
「う、うん。女は常に戦略を無意識に練っていると言うからな。そのサブヒロインがどうかはわからんが、可能性は大いに有るかもな。
結局のところ男がいい様に
「最近野球部の吉田が、マネージャーとのイチャラブ写真ばっか送ってきやがったんで、ついムカついて。”掌でいい様に転がされてろ、リア充め!!”って思っちゃったんですよね。」
「ああ、あの吉田か。予選負けしたから暇してるんだったか。」
「そうなんですよ、マネなんか”今日は吉田君と海浜公園のプールに行きました♡”ってツイ〇ターに上げてるんですよ。マジムカつく。」
「そ、そうか、うん。ところで高橋、その、良かったら明日なんだが、海浜公園のプールに行ってみないか?
いや、私もそこには行った事が無くってだな。最近の高校生カップルが行くデートスポットがどういう所か取材にだな、一人では行きずらい所でもあるしその…。」
お、って事は部活お休み?この暑さから解放されると、”乗れ、このビックウェーブに!!”。
「はい先輩、ぜひお供させていただきます♪」
「!? よし、明日駅前に8時半集合だ。遅れるなよ♪」
うゎ、先輩めちゃくちゃテンション高い。そんなに行きたかったのか?
なんか耳まで真っ赤、興奮しすぎじゃないか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます