第7話 夏休みに学校に来るのはだるい
「先輩、暑すぎます。どうにかしてください。」
「おい高橋、無茶ぶりが過ぎるぞ。いくら私でもこの猛暑をどうにかできる訳無いだろう。」
部室の窓は全開、廊下側の窓も全開。でも風が吹いてね~。
暑さで頭が回らない、いつもの調子が出ないから先輩との絡みも単調だ。
無駄とは知りつつも、窓から顔を出し涼を求める。
あ、駐輪場の方から歩いてくる女の子、スカートたくし上げてバサバサやってる。
あれって中坊の頃はやけにドキドキしたけど、こうやって改めてみるとなんか萎える。体育ズボンが見えた日にはもうね…、せめてスパッツでお願いします。
「貴様今何を見ていた。」
「うぉ、びっくりした。なんすか急に、いきなり後ろに立たないでくださいよ。某スナイパーなら攻撃している所ですよ?
心臓に悪いんでやめてくださいね。」
「お、おう。それは悪かった。でだ、貴様は今、外の何を見ていたのかと聞いているんだが。」
「あぁ、それですか。あそこの女子生徒がスカートをたくし上げてバサバサやっていたんで目が行っちゃって。あれで体育ズボンが見えたら興ざめだなと思いまして。
あれくらいやるならせめてスパッツ履けよとか思ってました。」
「って素直か、めちゃくちゃ正直に答えたぞこいつ。
いや別に褒めてないからな、相手の目を見て話せば何を言ってもいいって訳じゃないからな。お前には恥じらいはないのか恥じらいは!」
うゎ~、なんか興奮してんな~。暑いとヒートアップするのが早いのかな?
これって日本中そうなのかな?ヒートアイランド現象なのかな?
うぉ、おやじギャグ寒!でも全然涼しくならない…。本格的に頭沸いたか、俺?
取り敢えず団扇で扇ぐか…、汗が気化して意外に涼しい。
「そういえば先輩、ラブコメ漫画のヒロインってほとんどが生足ですよね。ハーレム系ラブコメ小説や”お隣の美少女がクラスメート”的な作品でも、体育ズボンやスパッツ履いてないですよね。あれってなんでなんすか?実際はみんな履いてますよ?」
「いや、それは高橋の偏見なんじゃないか?ショーツにスカートと言った女子もいるにはいるぞ。私の周りにも何人かいるしな。ただ、全体数からしたら思ったほどでもないがな。」
「そうですよね、男どもの夢と希望は現実の前じゃいつも無力なんですよね。」
「おい高橋、何黄昏ているんだ、まだ午前中だぞ、夕日なんか出てないぞ、窓の外に向かって叫ぼうとするな!文芸部の品位が落ちるわ!」
いかんいかん、本格的に暑さにやられてるみたいだ。帰りにショッピングモールのフードコートによってアイスでも食べよう。クールダウンが必要だな、うん。
「それで高橋は、その、やはりスカートの下に体育ズボンをはいてる女は嫌いなのか?」
「いえ、そんな事は無いっす。たださっきみたいにバサバサやってそれが見えると”萎える”ってだけで。ま、できればスパッツにして欲しい所ではありますが。」
「お、おう。そうか、スパッツか。最近は夏用の冷感タイプもあるらしいしな。うん、考えておこう。」
ん?なんだか先輩顔赤いけど、ついに熱中症か?
帰りにアイス食べに行くか聞いてみるかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます