再びの失神といつかの答え合わせ

 昨日の日記はないのだが、理由は2日連続の失神基寝落ちである。こういう事が最初多いと想定していたので、日記に日付を書いていなかった。

 おそらくGW明けか最終日に非常に大きな反動が来る。その週に再度の血液検査なのだが、この感じだと良くなっているかは微妙である。体内鉄欠乏と単純なヘモグロビンの減少を比較したら前者の方が症状が重い……なら今の体調もわかるが、そう都合のいい話はあるまい。


 後半。昨日の深夜、寝落ちる前に珍しく漫画を読んでいた。さらに前日、一昨日に友人に勧められた物だ。この友人、普段漫画を読んでいるアピールが少ない。特定のキャラクターに思い入れを強く持ったり、物語を描く側には回らないタイプのオタクだ。珍しいな、と思ったところで挙げられたタイトル・作者で「まさかその名が出るとは」と思った驚きも含めて手が伸びた。

 劇光仮面。ちょうど3巻が出た頃合いなのだが、特撮史を織り交ぜた外連味のあるストイックな話の中に山口貴由氏の台詞回しがピタッとはまって「特撮って!!こう!!だろ!!!!」と延々とぶん殴ってくるタイプの漫画である。

 特に3巻はモチーフのネタ元の一つに仮面ライダーがあるので、NHKのシン・仮面ライダーのドキュメントが頭によぎる。あそこでの「泥臭い」の意味が、突然解像度が高くなるので刺さる人には本当に刺さる巻だ。山口氏のシン・仮面ライダーの感想がヒーロー映画ではなく「革ジャンパンク映画」との言葉選びでめちゃくちゃ膝を打ったのだが、漫画で「アレ、最高の褒め言葉であってた……!」と色々納得が行った。4巻楽しみにしてます。

 その漫画の中、怪獣・怪人を愛する盟友と主人公の会話。怪人に対して「彼ら、散るというより咲いてるもんな」との台詞がある。それを、現実で声にして発した作り手側の人を1人だけ知っているなあとちょっとしんみりとしたが、今更ながらある一つの答えを得た。


 蒼天、突然描いたりするモチーフに選んだり話せと言われるとそこそこ長くなる程度にはクリーチャーに関して拗れている。ヒーローはなかなか難しい。悪役としての怪人も語ろうとするととても難しい。どこに基軸を置いて善とするのか、何故別の集団と敵対して、それがなぜ異形の者なのか?規模は?願いは??……よし長くなるからこの辺で。クリーチャーはこれより狂っている自認になる。

 最近ようやく気づいたのだが、「怪人イラストは見るけれども、拗れ方的にテンションが違うな?というのはわかるので交流はちょっとおとなしくしている」のが己のスタイルらしい。別に「悪役だから怪人が好き」「ヒーローが気に食わなくて怪人側を応援する」でもないので、怪人讃歌とも違うらしい。なので実は好きの基準が「怪人だから」になりにくい。しっかり拗れている。

 じゃあ何をお前は話したいかって、「悪か否かはおいておいて、デザインとキャラクターとしての怪人の話をしようか」とかになる。めちゃくちゃ狭い世界だ。そりゃそうだ。カッコいいとは言えるが、何をカッコいいのか禅問答しないと「カッコいい」ので、生命としての話ができない。動くように作れば動く動かないはどうにでもなるが、人のテクスチャ違いはモヤモヤするので、最低でも自由に描くのが許されるデザイン段階だけでも別の生命としてまず成立してほしいのだ。ほら序の口のjも言ってないと(俺だけは)思っているが面倒になってきたぞ!ステイ!!

 そんな会話がポツポツと出来た場所が阿佐ヶ谷にあった。よりによってその相手が、その世界を俺が初めて魅た時の創造主だった。当時は学生なので今ほど財布振り回せないのにも関わらず、だいぶ遠くから訪れては居座っていたし、展示作品は(今なら真顔で現金叩きつけができる値段だが)流石に無理だった。代わりに作品集は全部手が出せたと思う。その記憶はいつまでもある。

 それが2度と叶わなくなってから7年も経っているが、たまに同じギャラリーに向かうたびに「冷静に考えるとあれもう意地でねじ込んで行ってたよな」と毎回思う。今もごく稀に真顔で奇行はするけど、発動条件がとにかく狭いので、当時が一番わかりやすかったのだ。

 ……きっとアレだよな、劇しい光。闇を、影を、恐怖を描いても、間違いなく生み出す元は光だと思う。「いるならば」をどこまでも突き詰めて、表現としてどう作るかのレイヤーは別に大事に持っていて、重心の位置だけでスラスラ語る姿を見ているので、性格よりもストイックな話の思い出が強い。その光に浸りに行っていたのが、あの頃の真実の一側面だと思う。


 こんな12〜13年ぶりの答え合わせがあったりするので、もう暫くは向き合うのをやめないと思う。劇光仮面の主人公の一種の狂気、なんだかんだで笑えんな。

 では、明日も書けることを祈る。さて、頭を切り替えてフォロワー達がマリオ映画に脳を焼かれた様を聞いてくる。これが悲鳴……(謎のラーニング)

 

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