天才になりたかったという妄言と映画の暴力で言葉が飛び交っていた話

 訳あって、博士課程の頃読んでいる筈の当時のボスの論文と、何故か残っている発表PPを漁って唸っている。分野だけで身バレ一直線なので詳細は伏せるが、一応仕事関係である。決まった時に「ここに戻ってきたか……」と呻いたりしたがそれはそれ。

 タイトル前半が全てだが、研究における天才とは幻想だと思っている。若干ではあるが経験則も含む。ここでの天才とは、フィクションに採用されやすい「天性の才能が『解決するべき物事の問題点と改善点を僅かな時間で看破できる能力』として与えられている者」という狭い範囲で定義する。なので、賞賛として与えられる称号としての天才とは違うと触れておく。

 仕事をこなす速さ、ひらめき、論理構築能力……研究に紐付くならこの辺りだろうか。パフォーマンスに効率を求めると、基本的に無駄を削ぎ落として対処するべきものに対処するのが正になると思う。経験や知識、または求められている事を正確に読み解く力がいわゆるキャリアアップの近道……という話に帰結しがちな印象がある。偏見ともいう。

 「求められていることがわかる」「すぐに正解がわかる」……残念ながら、本当にわかっていたら研究をやる必要はないと思う。どこに進むのがいいかも不明な為、無駄かどうかを明確に判断する術はない。経験と知識は……まあ同分野ならともかくとして、数年はあまりに短すぎる。そういう仕事なので、それでも最前線に立たねばならないが。

 一つのサブジェクトを一番知っているのはやっている当人しかいない為、「お前は何を考えた?」「何を持って解決と判断した?」「なぜその判断を良しとした?」等、延々とぶつくさ言う時間がここ数日長くなってきている。こういう時、何か見えていないものがどこかに思考として癒着している可能性が高い。……自分の為の思考整理で文を重ねたが、平たく言うと久しぶりに盛大に詰まったらしい。

 ……なりたかったなあ、存在しない方の。わかっていたらいたで、興味を持たない可能性が高いので、今の仕事を選んでいないだろうが。


 後半。今日は昼から議論が活発だった。RRR、人気だよなあ。同じインド映画のバーフバリは友人が唐突にDVD流し始めたので2作とも履修したが、ワードチョイスが強いのとアクションがカッコいいけどよく考えるとぶっ飛んでて笑う状況、そして突然豪華に踊り始めるのを覚えている。話としては王道なので、問われたら話の重さや暴力の程度より、頭に残った順で話したくなってしまう。RRRもそれに近い物という認識をしている。「熱狂的」という単語が似合うフォロワーは観測していたので、刺さる人は刺さる筈だ。俺も側から見たら、今突然映画館に足を運んでいる様の見え方がああなんだろうなとは思う。

 映画は見てないが、「どうも目次的に話の核心を全部説明しているわけでもないな?別に見たところで俺が頭に残しそうな所の話も多分ないな??」と件のnoteは見た。反応でどういう話をしていたかも想像ついたし、これだけ見ている人が増えるとたまに単語は見えるしな。この意見に対するスタンス、プラマイどちらの立場のフォロワーも観測できるTLなのだが、色々な意見に触れられるのは収穫だったな。再放送をしれっとせがんで申し訳なかったが、暴力=楽しいに関する話、何人か初めて見た。1ヶ月くらい前までの再放送なら普通に俺は倒れていたのでマジで見ていなかったと思う。反応してくれた何名かありがとう……

 内容にそこまで触れる必要はない前提で話を進めるが、あのnote、最後の恨み節以上に初手に答えが出ていた気がする。あのnoteを書いた人の前提、「多くの人が勧めるものは自分にも面白いものだ」がまずある。その「多くの人」の性質と自分の性質を比べたりしていない。なぜ調べなかったのか?の答えも「みんなが楽しいと思っているから」で代用したのが大きく見える。人気だから見にいく、の裏にもっと別な理由が隠れているかもしれない。そこを筆者がどう思うかはまた別なのだろうが、自分の好きを基軸にできれば事故は減るのだろうな、とぼんやりとした総括が残る。


 それはそれとして、凄くどうでもいいかついらない全体的な気づきとして、怒り・不快感・違和感と言うのは、制御できるレベルであればある程度言語化能力や頭の回転率を上げるのではないか。そんな事を、普段あまり長文で話さない人が一斉にわっと話すのを見て思ってしまった。その一方で、その怒りの中に話題そのものではなく個人に対する主観的な嫌悪(話題の対象ではなく判断、思考に対するものか?)を含む場合、言語化だけでは鎮静化できないため、論調以前に単語選びに悪意を込める傾向にあるらしい。

 凡庸な感想になるが、その傾向は面白い。後者についても、それで精神の整理がつくなら状況に対する一つの解になるのだろう。皮肉というのは発言者の精神の為の防衛反応と思っている節があるので、無くなる程度には各自心が穏やかになる事を祈る。


 では、明日も書ける事を祈る。俺はこれからまた狂ってくる。

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