おまけ

 モレーさんの笑い方

モレー「ほーっほっほ。ほーっほっほっほ」

バンダナ「おい相棒、モレーさんの機嫌がいいぜ」

スキンヘッド「今日の給料は期待できるかもしれねえ」

バンダナ「なんせ俺達、出来高じゃなくてあの人の機嫌で給料決まるからな……」

モレー「ほーっほっほっほっほ……」

スキンヘッド「『ほ』の数が5だ!」

バンダナ「やったぜ、過去最高だな! 輝石様々だぜ!」

 ……このあと、暴走する紫電により葬られた彼等が、この日の日当を手にすることはなかった……。


 ワープしないの?

アルベール「まさか住宅街まで風で流されちまうなんて」

ナギ「本当はどうするつもりだったの?」

アルベール「森の中に着地するつもりだったんだ」

ナギ「その後は?」

アルベール「走って逃げる」

ナギ「えーっ、逃げきれるの? 魔法使いってワープとかするんじゃないの」

アルベール「簡単に言うなよ、高等魔法だぞ。媒介が必要だし」

ナギ「そうなんだ。結構不便だね」

アルベール「……魔法ってのは不便な世の中を改善するために生まれたんだけどな。しかも、悪用を防ぐため、とか言って、魔導士協会が大抵の高等魔法の媒介を独占して、必要に応じて高値でやり取りしてるんだ」

ナギ「なっ! 市場独占してるってこと? ゆ、許せない」

アルベール「がめついよな。やってること聖教会の連中と大差ないぜ」

ナギ「よしっ、こんど魔導士協会見つけたら指先してやって! 得意でしょ!?」

アルベール「馬鹿言え、喧嘩売ってどうすんだ!」

ナギ「いいじゃん、私の家の屋根に穴開けたのに協会の壁に穴開けるのは怖いの!?」

アルベール「悪戯に魔法使わせんなっつってんだ! それに何の得があるんだよ」

ナギ「ちょっとお灸据えて、独占を解いてもろて~からの私もあやかりたいな……みたいな」

アルベール「下心丸出しじゃねえか」

 

 行商人の足

ナギ「ざっざっざっざ」

シダラ「……ふぅ」

ナギ「ざっざっざっざ」

シダラ「…………くっ」

ナギ「ん、シダラ大丈夫?」

シダラ「あ、ああ」

シダラ(こ、コイツ、あ、足、はええ~! これでも体力には自信あったけど、ついて行けるか自信なくなってきたぜ)

ナギ「大丈夫? 水持ってきたけど飲む?」

シダラ(水そっちの荷物に入ってたのかよ!? 俺の鞄、サイズの割に軽いと思ってたけど、もしかして重い物はアッチに入ってんのか……!?)

シダラ「な、なんともない。まだ歩けるぜ」

ナギ「そう? じゃ、まだ日が沈むまで歩けそうだね。ガンガン行こうぜ!」

シダラ(……俺の足、今日で終わるかも……)

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