第9話 軍師、奴隷商を一網打尽にする

「じゃあ皆、各々の持ち場へ移ってくれ。作戦開始だ!」

「おう!」


 アキトの言葉に、師駒達と衛兵隊長が答えた。

 人間であるシスイ、アカネ、リーンは言葉で。ゴーレムであるベンケーは胸を叩いて。師駒達は、それぞれの持ち場へと向かう。


 一緒にいた街の衛兵隊長は、最初、若すぎるアキトを不安に思っていた。だが、アキトの策を聞いて協力を惜しまないと納得し、部下の衛兵達と共に持ち場へ向かう。


 広場にいたケガ人や病人は、一時的に神殿の中へ入る。

 これから、この広場は戦場になるからだ。


「アキト、わたしはどうすればいい?」

「スーレ。君は主君だから、後ろにいてくれ」

「……わたしは戦わなくていいの?」

「ああ。君は、俺の雇い主だ。ここは何でも屋さんに任せておくと良い」

「……うん! 分かった。頼んだよ、アキト!」

「おう!」


 アキトの言葉を聞いて、スーレは大司教に連れられるまま、神殿の中へと入っていく。


 主君に戦わせるなどあってはいけない。それもそうだが、まだスーレに戦闘を見せるのは早いとアキトは考えていた。


 リーンがアキトへ声を掛ける。


「アキト様、少しよろしいですか。私の新たな技能を使えば、一段階、今後の手間を減らせます」

「ほう?」

「こうするのです……」


 リーンは、アキトに策の補強となるような提案を行った。


 アキトはリーンの提案を承諾し、神殿の入り口へと向かった。

 この初戦で、リボット家をできる限り叩きたい。後は、直接リボットがこの広場に来るのを待つだけ。元老院の名を出したのだ、きっと来るだろうと、アキトは睨んでいた。


〜〜〜〜


「急げ! 我がリボット家に逆らう輩を、一秒でも野放しにしてはならん!」


 肥満男は傭兵を連れて、そう叫んだ。この青い短髪の肥満男こそが、奴隷商人リボットであった。


 綺麗に整えた口ひげが特徴的で、着ている黒いコートも帝都の貴族を思わせる上等なものだ。


 リボットは自らの傭兵約四百人、部下の傭兵の大半を、アキトとベンケー討伐のために率いてきた。


 傭兵の一人、目と鼻以外を覆った兜の兵士長が訊ねる。


「リボット様、こんなにたくさんいりますかねえ?」

「それは分からん。だが、小僧は軍師と名乗ったのだろう? 帝国軍が来たという報告はないが、多少は兵を連れてるかもわからん。それに、ゴーレムもいるという話だからな」

「なるほど。さすがリボット様、用心深い!」


 兵士長は、ニヤリとした笑みを浮かべた。


「ワシはいつでも、念には念をいれるのだ」

「さすがは、大陸一の狡猾な男リボット様!」

「ははは、褒め言葉として受け取っておくぞ! 褒めたところで報酬は出せんがな! 報酬が欲しくば、何が何でも、ワシの前にアキトとかいう輩の首を持ってくるのだ」

「へへへっ。兵たちにはそう伝えときますぜ。なーに、四百人もいるんだ。十分もかかりませんよ」


 兵士長は豪語して、胸を叩いてみせた。だが、すぐに、神殿の屋根の上に目が留まる。

 屋根の頂点に建てられた神の像の後ろから、左右に二つの人影が出てきたのだ。


「な、なんだあ、ありゃ?!」


 兵士長の声に、リボットを始め傭兵達も屋根の上を見た。


「やあやあ!!」


 二つの人影、右側の一人がそう叫んだ。


 叫んだのは、シスイだった。左側のアカネが恥ずかしそうにそれを見ている。

 二人とも、背の丈よりも長い大弓を持っていた。


「遠からん者は、音にも聞け! 近くば寄って目にも見よ!!」

「姉様……近くは誰もいませんよ」


 名乗りを上げるシスイに、アカネは。冷静に指摘する。


「ん? そうか。ならばもう一度やり直そう」

「もういいですから!」


 シスイとアカネが話しているのを見て、兵士長が首を傾げる。


「アキトとかいうやつの仲間でしょうかねえ? あ、あそこの男! あれが例の軍師じゃないですか?」


 兵士長は神殿の前にいるアキトに気が付いたようだ。

 リボットは、早速アキトへ声を掛ける。


「貴様が、アキトとかいうやつか?! ワシはここの大司教から許可をもらって商売しておる! 何の文句があるのだ?!」


 アキトは問いかけを無視するように大声で返す。


「リボット! 人間を奴隷売買の対象にした罪は重い! 貴様を逮捕する!」

「はっははっ! こりゃ面白い! どちらが牢獄行きになるやら! 野郎ども、ひっ捕らえて奴隷にしてしまえ!」

「へい! おい、野郎ども! 男は殺して、あの女どもを捕えろ! あんだけの上玉、傷物にするんじゃねえぞ!」


 兵士長の命令で、皆大挙して神殿の方へ押し寄せる。

 アキトはそのまま、神殿へと入っていった。

 それと入れ替わるように、暖簾をくぐるように頭を下げて出てくる者が。


「ご、ゴーレムだあ!!」


 神殿の入り口に立ったのは、ゴーレムのベンケーだった。

 ベンケーが神殿の外へ出ると、衛兵たちが入り口に盾を並べて塞ぐように布陣する。


「ええい、全員で押し倒せば、奴とて手は出せまい!!」


 リボットは強弁するが、傭兵の誰もが無理難題だとゴーレムを見て冷や汗をかく。自分達よりも、三倍も大きいゴーレムなのだ。簡単に踏みつぶされてしまうだろうと、足がすくんだ。


 シスイはそれを見て、つまらなそうにアカネに声を掛ける。


「アカネ、敵はベンケー殿の事ばかり、気にしているようだ。我々に目もくれなくなったようだぞ」

「なら、少しおちょくってみましょうか。わたくしは、あの顔を覆った兜の将を。姉様は、あの鞠のような殿方と遊んでくださいませ」

「ふむ、承知した」


 アカネとシスイは矢を番え、狙いを定めると、一斉にリボットと兵士長へ矢を放った。


「……うん? いっだっ!!」


 目の前に至るまで気付かなかった矢を、左手の甲に受けた兵士長は、悲痛な叫びを上げる。その手からは血が流れ出ていた。

 必死に手を抑える兵士長に対して、リボットは地面にのたうちまわってこう叫んだ。


「ぐああああああっ!!」


 リボットも兵士長と同じく、左手を射抜かれていた。

 だが、その反応は兵士長と違って非常に情けないものだ。


「ふむ、男のくせになんと情けない」

「姉様は、わたくしのように手加減できませんからね」

「某、いつでも全身全霊で矢を放つ。加減など出来ぬ!」


 シスイはアカネにそう言い放つと、次の矢を番えた。


「リボット様?!」

「ああああっ! ああ!! あああっ! ワシの手から血が!! この役立たずども、何をしておるか!!!」


 その言葉に気付いた盾持ちの傭兵がリボットの近くに集まる

 リボットは、地面から上半身を起こすと叫んだ。


「殺せ!! あの小娘どもを必ず殺すんだ!!」

「へ、へい! 弓兵! あの二人へ矢を放て!!」


 兵士長の命令に、五十人程の弓兵が、シスイとアカネに向けて矢を放つ。 

 だがほとんどの矢が神殿の屋根まで届かない。

 アカネはそれを見て、シスイに提案した。


「姉様、ここからは旦那様の仰る通りに、矢を放ちましょう」

「うむ。……しかし、アキト殿の意図が読めぬ」

「恐らく、わたくし達の腕を見極めているのでしょう。まあ、わたくし達からすれば、羽つきのようなもので、造作もなきこと」


 そう言ったアカネの足元に、傭兵が放った一本の矢が届く。


「さっそく出番のようですね」


 アカネは自分の矢を、足元にまで矢を放った傭兵に向けて放つ。

 アカネの矢は、傭兵の額の中央を射た。


「いたっ! ……え、血がでてない?」


 傭兵は、思わず自分の額を触った。血は流れていない。そればかりか、墨のような液体がついている。


 地面に転がる額に当たった矢。その矢じりは金属ではなく、墨の滴る紙が巻かれていた。


「ま、まさか毒か?!」

「おい、そこの野郎! その、額はどうした?!」

「兵士長、これって毒じゃ?」

「ああ!? どれ、見せてみろ!」


 兵士長は、墨を少し取って嗅いでみる。


「毒じゃねえよ、安心しろ」

「そ、そうですか、しかしなぜこんなものを」

「知るか! やつらろくな武器がねえんだろ。グダグダ言う暇があったら、さっさと矢を放ちやがれ!」

「は、はい!」


 すぐに傭兵は、矢を神殿の上に向けて放った。

 この後も数人、額に墨がつく者がいたが、皆死なないと分かって安心したのか、ただただ適当に矢を放つのであった。


〜〜〜〜


 適当に戦っているのは、ベンケーの前の傭兵もそうだった。

 皆、ぶんぶんと槍を振っているだけで、誰もベンケーの懐に飛び込もうとしない。


 この光景を、アキトは神殿の鐘楼部分から見下ろしていた。その隣には、大司教の姿も。

 大司教は神殿の入り口で腕を振るうベンケーを見ると、呟いた。


「ベンケー殿は、全く敵を寄せ付けませんね」

「はい、ベンケーの守備を突破できる者は、恐らく傭兵にはいないでしょう。数で押せば、制圧は出来るかもしれませんが。それでも、傭兵の誰もが積極的に攻撃をかけていないこの状況では、無理です」

「それに、誰も本気で戦っておりませんな。ワシらはこんな奴らに好き勝手されておったのか……」


 悔しそうに、大司教は呟いた。


「しかし、アキト殿。シスイ殿とアカネ殿は何故、あのような矢を?」

「何故こんな回りくどい事をやるかということですね。あれは、傭兵達の戦力評価です」

「とすると、傭兵を再雇用するおつもりで?」

「南魔王軍は遅かれ早かれ、必ずこのアルシュタットにやってきます。なので、戦力は増やしておきたいのです。もちろん、素行の悪い者は雇いませんし、大司教達が反対されるのであれば……」


 大司教は首を横に振った。


「いえ、ワシは戦争の事は詳しくない。軍事は、アキト殿にお任せいたします。なるほど、あのような者達など、シスイ殿かアカネ殿の敵ではないでしょうからのう」

「そう、殺すのは簡単です。だが、殺されると分かれば、彼らは死に物狂いになり、こちらにも被害が出ます。それならば、弓術に少しでも長けている者を、今後兵士として積極的に雇いたかったのです」

「それで弓術が比較的優れた者に、印を付けさせたと……兵士の適性を知る手間が省けるということですね」


 大司教は感心したように頷いた。


 弓を一人前に扱えるようになるのは、それこそ魔法を学ぶのと同じぐらい時間がいること。少しでも弓が扱える者を、アキトはこの後、兵士になるよう優先的に声を掛けたかったのだ。


 だが、大司教は目の前の光景に、額から汗を流す。広場に向かって新たに傭兵の増援が向かっていたのだ。

 増援は、総勢で約三百人程だった。


「こ、これは、ほぼすべての戦力を投入してきたのか。アキト殿、これは予想が外れたのでは?」

「いや、リーンがやってくれたのです。この件は俺も長引かせたくなかったから、リーンの助言も取り入れたのです」

「ほう。では、これもアキト殿の策の内ということなのですな」

「そうです、今のところは確かに順調……順調ですが、まだ敵の師駒を見てません」


 アキトは大司教にそう答えると、再び広場へ目を移した。


〜〜〜〜


「ええい!! たったの三匹になにを手こずっておる!!」


 地面に座りながら、リボットは喚(わめ)き散らす。

 傷はもうそこまで痛くないが、傭兵達の盾から身を出すのが怖いらしい。

 大金を出して雇った傭兵達は、一体のゴーレムと二人の若い娘に、まるで赤子のようにあしらわれている。 


「リボット様!! 援軍に駆け付けましたぞ!!」


 先程、アキトにこてんぱんにされた禿げ頭の傭兵が、リボットの元に駆け寄った。

 リボットは地面に座ったまま、禿げ頭に問いただす。


「援軍? 誰が呼んだのだ?!」


 禿げ頭の傭兵は、不思議そうな顔をする。


「え? リボット様が屋敷の見張り以外、すべて兵を回せと伝令を送ったんじゃないんですか?」

「ワシはそんな命令出しとらん。いや、兵士長の誰かが出したのか……まあいい、確かに奴らには苦戦している。全員でかかれ」

「へい! 野郎ども! さっさと攻撃に移れ! ああ、あとリボット様。ガトルの兄貴もこっちに向かってます」

「ガトルもか……いや、奴が来ればあのような者達、一捻りに叩き潰してくれよう。まあ、その前に奴らが音を上げるだろうがな!」


 だが、そのリボットの言葉もむなしく、傭兵たちは束になってもゴーレムを破ることはできなかった。

 神殿前が、更にわあわあと騒がしくなったのと、額に墨がついた者達が増えただけであった。


〜〜〜〜


 アカネが長い黒髪をなびかせて、神殿の屋根の上からアキトに手を振っている。

 どうやら傭兵達に対する弓術の評価が終わったらしい。

 アキトは鐘楼の上から手を振り返し、それを確認した。


「やりたいことは達成した。あとはリボットを裁くだけだが」

「では、私が衛兵隊長に旗を振りましょう」


 大司教を制するようにアキトが透かさず口を開く。


「いや、少し待ってください。まだジョルスの師駒が来て……あれか」


 アキトの視界に入ったのは、鎧を着たサイクロプスだった。その巨体に見合った鉄の大槌をフラフラと揺らしている。

 ベンケーよりもいくらか小柄だが、その足はもっと鈍重だ。武器や鎧、その体型のせいだろう。

 大司教もそのサイクロプスを確認して、声を上げた。


「あれこそが、リボットの隠し玉です」

「来ましたか。あれを仕留めてから衛兵を突入させたかったのです」


 アキトはアカネに手を振り、サイクロプスの方を指すと、手を下に振った。 

 全力で敵の師駒を倒せ、それがアキトの命令だった。


 アカネは深く頷くと、シスイにもそれを伝える。

 サイクロプスがどれほどのランクか分からない。全力で容赦なくかかるべきだ。

 ならば衛兵も投入したい、というのが軍師の本音だ。


 しかし、それでは広場で傭兵とも乱戦を繰り広げることになる。


 これから南魔王軍と戦おうという時、潜在的な味方に犠牲を出したくない。それがアキトの考えであった。


〜〜〜〜


「おお、ガトル、来たか!!」

「グウォオオオオ!」

「待っておったのだぞ! さあガトル、奴らをワシの与えたその大槌でぺしゃんこにするのだ!」


 リボットは立ち上がって、目の前のサイクロプス、ガトルに命じた。


「グウォオオ!!」とリボットに応えるガトル。


 ガトルはリボットの師駒であった。本来軍師でも貴族でもない彼が師駒を持てたのは、最近ある帝国貴族から師杖を手に入れたからだ。


 大枚をはたいて買った師駒石は、E級の魔物の〝ルーク〟、サイクロプスを呼び寄せた。

 リボットはこのサイクロプス、ガトルのために、特注の大型の胸当てと鉄の大槌を買い与えたのであった。


 ガトルが誇る最強の部下……そのはずだった。


 風を切るような音が辺りに響くと、ガトルは急に顔を抑えて叫び声を上げた。


「グァアアアア!!!」


 そして、力が抜けたように仰向けに倒れ始める。

 リボットの周りにいた傭兵たちは、蜘蛛の子を散らすように離れていった。


「え?」


 リボットは目の前に迫るガトルの背中を見て、棒立ちになる。


 走って逃げようにも、そのぶくぶくの体ではすぐに動けなかった。

 巨大な鉄が地面に落ちる音が広場に響く。


 ぺしゃんこになったのはリボットであった。

 倒れたガトルには次々と、矢が放たれる。頭に十本以上矢が刺さると、ガトルは悲鳴を上げ、消えていった。


 ガトルがいた場所には、血だまりと血に染められた師駒石だけが残る。

 矢を放ったシスイは、驚きを隠せないといった顔で言い捨てた。


「……何と! 確かに我が魔力の全てを注いだとはいえ、何とたわい無い」

「確かに拍子抜けですね。これでは、旦那様にわたくし達の真の実力を見せられなかったでしょう」


 アカネも肩透かしを食らったように呟いた。

 鐘楼からこれを眺めていたアキトは、大司教に向かって告げる。


「終わったようです。大司教、衛兵長に合図をお願いします」

「おお! わかりました、アキト殿」


 大司教は、裏の路地に待機していた衛兵隊長に手旗を振り始める。

 リボット家の兵士長は、もはやただの血肉となったリボットを見て、悲しむというよりは驚いた表情だった。


「リボット様……あ、兄貴まで……」

「兵士長、ここは逃げましょう! とても勝てません!」


 禿げ頭の傭兵が、兵士長へ具申する。

 傭兵達は、下敷きになったリボットと一撃で死んだガトルを見て、顔が一様に青ざめていた。

 もはや戦いにならないし、意味もない。兵士長は命令を下す。


「あ、ああ。野郎ども、一旦退却だ!!」


 兵士長の声に、皆一斉に広場から逃げようとする。

 その時だった。傭兵の一人が通路を見て、こう叫んだ。


「衛兵隊だ!」

「一体どこから?!」


 アルシュタート大公領の衛兵三百名が、広場へ続くすべての通路を封鎖したのだ。

 広場へ続く五つの道。その全ての道を三十人ずつの衛兵が盾を寄せ合い、隙間なく封鎖する。


 神殿方向にだけ目を奪われていた傭兵たちは、皆後ろを取られたと狼狽する。


「ええい、突破しろ!!」


 兵士長の言葉に、傭兵達は衛兵達に向かうが、その通路に隙間なく並べられた盾を誰もが突破できない。


「ち、ちいっ! どうすりゃ!」


 兵士長が唇を噛んでいると、広場の中央から叫びが。


「俺は降伏する!! 許してくれ!!」


 一人の傭兵が大きな声で叫び、武器を投げ捨てた。


「な、何を勝手なことを!」


 兵士長は声を荒げ、すぐに傭兵を黙らせに行こうとするが、周りの傭兵達も皆武器を捨て始める。


「こ、降参だ!」


 皆口々にそう言って、手を上げ始めた。

 鳴りやまない、ガシャガシャという武器が落ちる音。それを聞いた禿げ頭の傭兵は剣を降ろして呟いた。


「兵士長、もう無理でしょう。リボット様はもういない。戦う意味もねえ」

「ああ、そうだな……」


 兵士長は頷くと、ついに剣を捨て、手を挙げて声高に叫んだ。


「や、野郎ども! 降伏するぞ!! 武器を捨てろ!!」


 兵士長の声を聞いて、全ての傭兵が手を上げて降参する。

 傭兵達は皆、悔しそう……ではなく、心底ホッとしたような顔をするのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る