第21話 怒りのクリス

クリスの身体がもはやスーパーハイヤ人みたいに光った。前世のアニメである。

髪の毛は坂田ってないものの、見たことが無いくらい、クリスにしては珍しく表情を崩していた。まさに般若の如く怖い顔をしている!!


えっっ!?まさか、ブチキレてる!?


「ハハハ!その顔!やはり!!その仮面女がお前の弱点!!?


ならそいつを俺が犯してやる!!」


げっ!あっちはあっちで最低な事言い出した!!



「殺す。僕の大事な人に剣を投げた事を後悔して死ね!」


「ハハハ!!殺す?俺が死なないのを知ってるだろ!?やってみろよほら!!」

無数の闇の剣が地面の影という影から出没してくる!私の地面の影から黒い手が伸びた。しかしそれをクリスは光の剣で爆速でブッ刺し、消滅させた。


クリスは笑うアノンに人差し指を向けた。


?何してんだろ。何か宣言するのかと思ったら指先に光が集まっていく!!

えっ!!?


そして一気にアノンの心臓を光のビームみたいなのが突き刺した!!


「くっ!!」

とアノンがうめいた時、クリスの分身がいつの間にか彼を取り囲み、同じ様に人差し指を向け、光のビームを一斉に放ち、四方八方からの串刺しになるアノン!!


「ぎやああああ!!」

光のビームは抜けない。

クリスは更に


「光輪捕縛!!」

とアノンの真上に光の輪が何重も現れて彼を文字通り捕縛した!!


「なっ!何だこれ!?ふざけてんじゃね…」


ブスっ!!


光の輪から光の棘みたいなものが出てアノンを突き刺し苦しめた!!


「いぎゃああああ!!いてえええあああ!!」


「その輪はお前が回復する毎に突き刺す自動魔法だ。不死身だからこうするしかない。


永遠に苦しめ」

とクリスはそう言い放つ。更に光の箱の様なものを出してアノンはその箱の中に入れられて更に光の鎖で厳重に包まれ、更に何かクリスは光の扉を出した!!


「な、何これ!?」

呆気に取られているとクリスはようやくにこりとし、


「光の空間世界にこいつを閉じ込めておく」

と躊躇なく箱を蹴り飛ばした!!


そして扉はアノンの箱を入れて閉まっていく。最後にカチャリと鍵の閉まる様な音がして、消えた。


「………」

私はもはや何もできなかった。ただの脳内解説者だった!!一応聖女なのに!

ていうかこんな事できるなんて聞いてない!!

聖女要らないし!!

これから世界を揺るがす様な激しいバトル展開かと予想してたのに、なんかあっさり爆速で終わった!!


何故!?


「エレア!大丈夫?」


「あ、うん。私はただの傍観者ですけど……」

と言うが


「いやあ、ちょっとキレて面倒な事をしたから……」

と言うなりクリスはいきなり白目でバタンと倒れた!!


えっ!!?


「く、クリス!?」


すると周囲から光の精霊王と女神様が現れた!


「レギオン王!オシリア様!!クリスが!!」


と言うと


『わかっておる!!こやつ!あいつを封印する為にかなりの光の力を使った!!後、1%程しか残っていないぞ!!死ぬ手前!!』


「ええええええ!!!??」

急展開についていけない!さっきまで普通に喋ってたのに!!


『キレたからよ!!クリスがキレたから!!エレアに剣を向けた事に冷静さを失い持てる光の力を99999%使い果たしてしまったのよ!!


あの扉を召喚したから!!あの扉は光の時空間へ繋がっているのよ!時空間を使う光魔法は莫大な魔力量を引き換えにするの!!とにかくクリスは瀕死状態よ!エレア気合い入れて聖女の力で救って!!』


「は、はいいいいいい!!」

何その数値!何その展開!!いきなり過ぎる!


とにかく私がクリスに手を翳し聖魔法を放つ!!


うぐっ!!?こ、これは!!力を使ってわかった。クリスは本当に虫の息だった!!今にも心臓が止まりそうだ!!


「ち、ちょっとクリス!爆速で死なないでよ!!何でキレて死ぬのよ!!


バカバカ!!こんな事ってないわよおおお!!」


私の目から涙が流れていた。クリスはもはやストーカーの域を軽く超えているけどこんなのでも私の幼馴染なのだ。


流石に悲しい。作者とか今は関係ないし。何とか力を振り絞る。


「ふぐううううう!!」


『『頑張れ!頑張れエレア!!』』


「が、頑張ってえー!?」

「いけええええ!」

ていつの間にか周りにいたアノンに支配されてた女の子達も応援している!


私の力でクリスの周りは草花がブワァといきなり急成長した。


私の涙がクリスの口に落ちた。


その時クリスはドクっと動いた。


「クリス!!?」


ゆっくり目を開ける。


「………ア」

と掠れた声でまた目を閉じる。


トクントクンと心臓の音が聞こえ…クリスはようやく窮地を脱した。


しかしそのままこの街の宿屋に連れて私はまだ力を使い続けた。


ようやく安定したのは朝になってからだった。


わかった事。クリスが私の事で超絶にブチキレたらクリス瀕死になる。





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