第8話
「おーいお前ら、そろそろ席に....。えっと、君は誰かな?」
ついに担任までわからないか。
「私、宇津月沙二です。ご存じないでしょうか?」
「あー。すまん。見違えたな。じゃHR始めるぞ」
さほど興味はないみたいだ。
まぁそんなもんなんか。大人も大人で大変なんだろう。
___昼食休憩
「あの、水島く「宇津月さぁん!一緒におひ「あの!私とお弁当食べませんk「先生とお弁当食べないか!」
視線は担任へと移る。
「え?まさかですけど俺のマブダチの彼女取ろうとかまさかですけどそぉんなことせんせー考えてないですよねぇ?」
かなりご立腹の様子だ。
なんだかんだでやっぱりいいやつなのかもしれない。
抜き足差し足で宇津月のところに向かう。
「宇津月、お昼行こう」
「う、うん」
担任の処遇が気になるのだろう。
無論俺も気になるけど。
___
「じゃあ購買でも行くかぁ」
欠伸を挿みながら歩く。
宇津月はうずうずしていた。
「どしたんさっきから」
「いや、その、お弁当水島君の分も作ってきたから、どうかなぁって」
...え?これ演技じゃないとかやっぱり女子怖いわ。
可愛いし、まんざらでもない、のか?
「...おーい水島くーん」
げ、
名前からして不吉なんだよなぁ....。
「...水島君今失礼なこと考えなかった?」
ドスのきいた声で言われる。
「いや別に吹田さんについては何も考えてないですよ。
ただ俺の彼女が可愛いなぁって思ってました」
「ふーんそっかそっかってえぇ?!水島君彼女できたの?!」
「えぇまぁ」当たり前のように言ってやった。
「そっかぁ、私水島君狙ってなかったから別にいいや。
で、その愛しの彼女さんはどちらに?」
「俺の隣に」
「え?沙二ちゃん?え?水島君、さすがに冗談が過ぎるよ」
引いてる吹田。
「いえ、彼から告白されたので。確かに私は彼の彼女ですよ」
微笑む沙二。
なんでこんなにかわいいのか俺にはわからない。
「そ、そっかぁ。君もすごいね、この学校の三大美人の内の一人をしとめるとは」
「え?三大美人ってなんですかそれ」
呆気にとられる。吹田曰くかなり沙二を狙っていた男は多かったらしい。
「はぁ、それも知らないで沙二ちゃんに告白するとか君も命知らずだなぁ。
いいかい?まず君の彼女の沙二ちゃんでしょ?その次にツナちゃんでしょ?
んで最後に私、と言いたいところだけど
「えと、その。なんかすいません」
「いや別に君が謝る必要はないんだ。
でも君が沙二ちゃんに何かしちゃったらただじゃすまないってことは
頭の隅にでもいいから置いておいたほうがいいよ。それじゃ、お幸せに」
あぁ、なんか嫌な予感がする。
「沙二」と言いかけて驚いた。
「沙二?大丈夫?」
ふらふらしている。やっぱり演技で疲れたのだろうか。
「う‐大丈夫じゃないかも」
ふらふらしている。どんより雲は雨を降らし始める。
「沙二、保健室に行こう。お姫様抱っこするけど、気道悪くないか?」
顔色が悪い。
応答はせずに首を弱く立てに振った。
「よし。気持ち悪くなったら言えよ?」
俺は沙二を運び始めた。
___
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