第2話

ついていくと屋上へと続く階段に差し掛かっていた。

内心告白イベントかとワクワクしながら

そのまま屋上へと歩を進めた。


___


屋上につく。

ふと笛俣が止まった。

するとキョロキョロしだす。

意味不明な行動を見ていると、

屋上への唯一の扉が施錠された。

『え?』

思わず口に出してしまう。

笛俣が怪訝そうに

『どうしたの?』

と聞いてくる。

こいつが意図的に鍵を閉めた可能性は少なそうだ。

『いや、扉の鍵が締まった気がして』

といい、俺が扉へ歩を進めると、

背後から走る音が聞こえた。

咄嗟のことで何もできなかった俺は押し倒されてしまった。

ドアノブまで後僅か。

しかし俺は屋上から逃れられないらしい。

というかこれは告白イベントでは?

そう思い期待していると、

平手打ちが飛んできた。

頬が赤く染る。

どうやらいじめイベントかもしれない。

ギャルゲーならこんな時どう対処するか…。

と考えていると今度は逆の頬に平手打ちが飛んできた。

『いっ……』

痛いと言いかけて口を注ぐんだ。

いじめっ子は反応を楽しむ。

次は顔面粉砕か?とおどおどしていると、

今度は頬に柔らかい感触がした。

そして濡れた。

2秒ほどのラグの後、俺はキスされたとようやく判断できた。

『…………好き』

待て待て待て待て。落ち着け。これはきっと罰ゲームだ。

こんな告白を了承してはいけない。

そう自制をかけていると、

笛俣はニカっと笑い、

『頬をこんなに赤くして、そんなに私のキスが良かったのか?』

と照れながら口角を上げた。

笑ったらこいつも可愛いなと思いつつ、

こいつやべぇ奴だなとも思った。

平手打ちの頬が赤いとか不可抗力だろう。

『いや、俺は』と言いかけて今度は唇にキスされた。

どうやら俺に発言権は無いらしい。

『それじゃあ今からカレカノってことで!』と笑い、

俺を押し倒したままハグしてきた。

無駄に脂肪を蓄えた胸は

おおよその男子を虜にするには十分だと身体で理解できた。

ふと、抱き締める力が抜けた。

『?』と思っていると、施錠が解除された音がした。

その音の数秒後、笛俣は意識を取り戻し、

先程よりも激しく抱きしめた後、

『今日一緒に帰ろうね』とニコニコ笑顔で俺に言った。



____


第三話は作成中です。

暫くお持ちください。

ストックが貯まり次第、

毎日投稿します。

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