第85話 状況整理
◇袁家の布陣。
袁紹 北平→南皮に入城。公孫瓚討伐に向かった本隊を引き連れ、大休止中。
袁譚 平原にて黄河以南を警戒中。
袁尚 邯鄲(鄴の北部)にて黒山賊張燕と対峙中。
袁煕 白馬港陥落後、延津目指して進撃中。
沮授 鄴都にて政務と防衛の総指揮を担う。
田豊 南皮にて正軍師となる。投獄はされず。
辛評 袁譚の軍師として平原に赴任。
逢紀 袁尚の軍師として邯鄲に赴任。
高柔 南皮にて政務に当たる。
高幹 南皮と延津間にて陣地を設営中。
許攸 偽装投降を実施中。
呂威璜 南皮から援軍として五千の兵を率いて進軍中。
淳于瓊 鳥巣にて食料を備蓄中。なお飲酒。
高覧 北平から鳥巣目指して進軍中。
顔良 白馬にて軍を再編成。出撃に備える。
文醜 もけ
魏延 偽装投降の兵を抽出、延津に進撃中。
陳羣 南皮にて政務に当たる。九品官人法草案完成。
陸遜・陸瑁 袁煕と共に行軍中。
陸駿 体調悪化につき、療養中。
張郃 于禁を捕縛。袁煕と合流するために延津へ向かう。
劉備 高幹が設営している陣に向かうはずだった。行方不明。
関羽 髭はない。劉備と共に姿を消す。
趙雲 袁煕と合流し、共に延津へ向かう。
審配 袁尚の先手として、張燕の部下と戦闘中。
田豫 北平副太守兼軍師。主に公孫度に備える。
鮮于輔 北平太守。意外と善政を敷き、民には好評。
公孫続 高幹の補佐として南皮より出撃。延津付近まで接近。
陳琳 鄴にて同人誌の制作に精を出す。陸兄弟が主役の模様。
荀諶 土木作業たのちいいい! 南皮で一所懸命労働中。
牽招 鄴に戻り、守備に当たる。
辛毗 袁煕幕僚として随軍する。馬に揺られて気持ちがいい。
郭嘉 南皮より公孫続と共に出撃。彼の裏切りは把握済み。
郭図 同じく公孫続と共に出撃。酒太りをした。
◇曹操軍の布陣。
曹操 許昌から出陣し、濮陽へ入城。白馬失陥を知る。
曹丕 延津を守備する。人心把握は不得手の模様。
程昱 十面埋伏を使い自ら逃れる。偽投降を真に受けた。
荀攸 偽投降を看破している。上席の程昱には意見具申できず。
荀彧 洛陽にて政務に当たる。我が子房よ。
賈詡 聞き耳を立てていたのがバレ、絶体絶命。
張遼 延津防衛軍の要石。呂玲綺を守る。
呂玲綺 死に場所を求めて曹操軍に降った。延津で先手を受け持つ。
楽進 延津守備に当たる。本人は出撃欲求が激しい。
夏侯惇 濮陽にて渡河準備に当たる。鏡は苦手な模様。
夏侯淵 下邳にて防衛と人心安定に寄与する。隙あらば北海を奪いたい。
許褚 曹操近衛軍統括。濮陽にて身辺を守る。
司馬朗 長安にて政務に当たる。
司馬懿 意外と聞き分けが良く、自ら士官してきた。濮陽に随軍している。
徐晃 濮陽にて夏侯惇と共に軍をまとめる。ほぼ本命の部隊。
鍾繇 曹操軍支配圏内より糧秣を確保し、前線に送る。まさに蕭何。
于禁 捕縛中。延津攻略後、袁煕の下に送られる予定。脱走計画中。
曹仁 濮陽に駐屯。袁家攻略に参加。
曹洪 本拠近くの陳留を守備する。
曹純 虎豹騎を率い、延津に渡河する準備を行っている。
黄忠 荊州を出奔。魏延を探していたが、路銀のために曹操軍に加入。
曹沖 許昌の守備を担当。張繍をこき使っている。
張繍 曹操に苦渋を飲ませた故、窓際族として雑用に従事。
陳登 北海の孔融を調略中。
王忠 汚名返上のため、濮陽で出撃に備える。
劉岱 名誉挽回のため、濮陽で出撃に備える。
董昭 河南尉に任じられ、濮陽周辺の整備に努める。
満寵 汝南太守。袁家の生地をサーチ&デストロイ中。
李通 白馬へ援軍として向かっていたが、陥落を知って撤退中。
呂虔 宛を守備。北方の馬騰一門に備える。
梁習 長安を守備する。忠義一徹の男。
史渙 激戦の中気絶。起きたら周囲は死体の山だった。黄河を目指す。
張飛 汝南の治安が悪化したため、拠点を変える。河北に向かった。
周倉 張飛の北方行きに裴元紹と共に絡む。意気投合した模様。
裴元紹 蛇矛の威力にチビり、そのまま張飛の部下になる。
◇北海
孔融 陳登の説得とか恐喝を受け、曹操に降る方向で検討中。
太史慈 主の優柔不断さに見切りをつけ、出奔準備中。
◇荊州
劉表が虎視眈々と許昌を狙っている。
この世界の彼は、平和を愛さない爺さんの模様。
◇泰山
呂布軍の残党が結集し、周辺都市を脅かしている。
梁山泊と違う点は、全員小物であることだ。しかし、昨今統率された行動をとるようになってきた。誰かが頭脳になっている可能性が高い。
◇長江以南
孫家が台頭してきている。
劉繇・王朗・厳白虎では力不足の様子。
この歴史においては更にアグレッシブで、長江北部にまで進軍。柴桑から廬江・寿春を狙っている。
◇公孫度
大病を患い、北平進出の夢は息子の公孫康に託す。
北方の騎馬民族とは融和政策をとり、定期的に貢物を差し出している。
公孫康は北平及び朝鮮半島の制圧を狙うが、兵力・物資共に足りず。
◇黒山賊
袁尚の軍に痛めつけられ、兵力を大幅に減少させた。
部下の眭固は手勢を率いて袁尚に投降してしまった。
残存兵力乏しく、曹操軍に密使を送り、南北からの挟み撃ちを提案する。
◇上党
空白地。
流石の黒山賊も、勢力を広げられずにいる。
袁紹軍は壺関から彼の地を伺っているが、曹操軍との戦いが勃発したので、占領軍を捻出できない。
現状はリアル北斗の拳状態。
無政府都市って怖いね。
――??
三国鼎立まではまだ遠い。
「なあ君。水鏡先生の下を出てから、どうするんだい」
友人に訊ねられた若者は、そっと微笑むだけであった。
同学の士たちはそれぞれ出世することだろう。だが若者の真の望みは遥か先にある。地に眠る竜が入雲するには、天の時が必要なのだ。
友人たちとの問答も懐かしいと、若者は草庵で物思いにふける。
人間過去のことを思い出すのは老いた証というが、齢二十にも及ばぬ身では、まだ早かろうと考えた。
「元直、嗚呼、君は今どこにいるのか。我ら有志の留まるべき、蓬莱の枝は何処にありや」
麻の服を纏い、髪を結う。
誰も訪れぬこの場所は、まるで幽世のようでもあった。最低限度の身だしなみは士たるものの義務と教えられたので、こなしているにすぎないのだが。
「今日は何を読もうか。もっとだ、もっと私は知識が欲しい。この世の誰もが辿りつけぬもの。仙人が至る真理に触れたいものだ」
本の虫干しをしようと身を起こし、外に人の気配を感じた。
さて、どのような未来が舞い込むことやら。
「一度目は帰っていただきましょう。その大志、如何ほどであるのか楽しみです」
先生はお留守です。宜しければ拙者が承りますが。
弟の均は裏表が無さそうな表情を作る。無論すべては演技だが、詭道に通じるのは血筋故かと納得も行くものだ。
「兄上、よろしかったのですか?」
「ご苦労様です。草庵を出るにはまだ早い。天下を治めるべき啓示は未だ不明のままなので、致し方ありません」
「左様ですか。拙者は食事の準備をしてまいります。きちんと食べてくださいね」
「分かりましたよ。三日に一度くらいは摂取せねばなりませんからね」
『曹』の旗を掲げた人物は去って行ったようだ。
炊煙が上がるが、それは均のものであると思われるだろう。
自分は影であり、地に眠る者だ。
「河北で星が動く……ですか。ふむ、眠り続けるのは、期を逸するやもしれませんね」
羽扇を手に、まだ見ぬ北方の大地を幻視する。
袁家と曹操。大陸の覇を賭け、二つの竜巻が衝突しようとしていた。
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