第75話 ざまぁ執行 もう終わりだよこの大徳

 思い返せば随分と南皮でもでしゃばってくれたねぇ。

 気が付けば劉備シンパが増え、目に余ることになってたんだよ。


 漢の皇族だからって見逃してたが、もうそういう場合じゃねえ。

 曹操軍を呼び込むきっかけになってしまったしな。ケジメはつけてもらわんと気がすまんのよ。


 ジャーン! ジャーン!

 うむ。構わん。

 今日はその銅鑼の音は許そう。なぜなら俺は殺意に目覚めているからな。

 陰キャの反撃ってのは執拗かつ徹底的であるのが、俺の鉄則なのよ。

 だからぶっ放させてもらうぜ。


ステータス


姓:劉

名:備

字:玄徳


年齢:37

相性:75――「¥:「@・※($%#$


武力:73

統率:76

知力:74

政治:78

魅力:999


得意兵科:歩兵

得意兵法:斉射 鶴翼陣 賊徒特効

固有戦法:脱兎 超運 情報隠蔽 寄生 武将懐柔 登用

固有性癖:興味なし

個性:ヤドリギの星は、相手を腐らせる


親愛武将:関羽 張飛 趙雲 公孫瓚 盧植 徐庶 諸葛亮 田豫

犬猿武将:蔡瑁 袁煕


※一部ステータス情報が改竄されています。

お手数ですが、nankarousenn.comまで、お問い合わせメールを送付してください。


 ほうほう。

 ほうほうほう。


 随分とヤンチャしてくれるステータスだねぇ、君ぃ。

 それじゃあまず数値からスクラップにしてやろうか。


武力:73→3

統率:76→6

知力:74→50

政治:78→8

魅力:999→2


 うなれ袁家の金。弾けろ課金。

 全ての不義に鉄槌を。


 ちなみに知力を残したのは、前回の反省からだ。一けた台に落とすと、知的生命体としてコミュニケーションが不可能になるからね。

 それに現実を理解するだけの知能があったほうが、より絶望を感じることだろう。

 いつも通りに過ごしても、ウンコを見られるような目で接されるだろう。

 

 ざまぁみさらせ。

 よし、次だ次。ガンガン行こうぜ!


得意兵科:歩兵→墓堀人夫

得意兵法:斉射→精射 鶴翼陣→殺陣たて 賊徒特効→自滅特攻

固有戦法:脱兎(逃走率100%)→脱尿(肝心な時の排尿率100%)

     超運(逆境を必ず盛り返す)→運送(対峙する相手に運をお届け)

     情報隠蔽(ステータス非開示)→全裸待機(脱げ、オラ!)

     寄生(強者に好かれる)→冬虫夏草(寄生して芽が出ると、摘まれる)

     武将懐柔(武将に好かれる)→畜生懐柔(動物に好かれる)

     登用(武将の登用率UP)→空気存在(武将の印象に残らない)

固有性癖:興味なし→人前乳首オープンチクニー

個性:ヤドリギの星は、相手を腐らせる→納豆菌(お前が糧になるんだよ!)


 ふう、こんなもんか。

 しかし、相性値のバグってる部分がイジれん。

 多分だが、これは相手によって相性を自在に変えられるのではなかろうか。


 袁紹と会うときは101に。

 曹操と会うときは25に。


 カメレオンみたいな野郎だが、この中華ではただの食材よ。

 それ以外の部分を徹底的に貶めてやるからな。


親愛武将:関羽 張飛 趙雲 公孫瓚 盧植 徐庶 諸葛亮 田豫

犬猿武将:蔡瑁 袁煕

親愛武将:兀突骨

犬猿武将:袁紹 袁譚 袁煕 袁尚


 てめーは南蛮で太鼓でも叩いてやがれ。

 袁家は総じて君のことを嫌いになるってことで一致したとしよう

 さて、劉備君。この針の筵にいつまで座ってられるかな?


※一部ステータス情報が改竄されています。

お手数ですが、nankarousenn.comまで、お問い合わせメールを送付してください。

※一部ステータス情報は俺が改竄してやった。

問い合わせ先は閉鎖しました。長らくのご愛顧、誠にありがとうございます。


 ドント、ストッピン、ナウ!

 まだ終わりじゃねえぞ、ボケ!


性別:男→女

年齢:37→17


 ケツの青いメスガキにしてやるぞ。

 関羽も張飛も同じ末路を辿らせてやるからな。俺のロックンロールを楽しんでいけ。今なら無料だぞ。


 頭の中にはクイーンの名曲が鳴り響いている。

 エクスタシーをフローティングさせてやる。


特記事項:ひたすらに武将との縁に恵まれるが、蛇蝎の如く嫌われる。

     なぜか登用できるが、誰も言うことを聞かない。

     水鏡先生の派閥とは相性がクッソ悪い。

     自信満々な性格で、適時罵ってくるが、実は雑魚。

     大徳(笑)


 はぁ、はぁ、はぁ……。

 こんなもんでよかろう。

 

 俺が小指でもブチ殺せるレベルにまで弱体化してやった。

 しかも周囲との縁をバッサリと切断。孤立しやがれ、貧乏神め。


 世界が一瞬暗転する。

 軽い酩酊感を覚えたのち、目を開けるとそこにはクソ生意気そうな少女が茶を啜っていた。

 

 トラトラトラ。

 我奇襲に成功せり。


「まっず。なにこの薄い液体。フツーこんなん客人に飲ませないわよ。ねえ、子龍」

「……玄徳公。貴女は我儘に過ぎます。いくら漢室の血を受け継いでいるとはいえ、感謝の念を忘れてはなりません」


「だって美味しくないものは美味しくないし。ねえ袁顕奕、茶菓子は出ないの?」

「……玄徳公」


 ややうんざりして、疲労を顔に滲ませている趙雲。それに全く気付かず、差し出した米菓子をバリバリと咀嚼する大徳(笑)


 凄まじい金額を使ってしまったが、これまでの節制で蓄えた分でまかなえた。

 だが収穫は大なり。

 袁家の中を食い破ろうとする害虫を摘出したと思えば、安い投資だろう。


「ははは、玄徳公。曹孟徳殿とこれより一戦を交えることになる気配ですが、お力を貸していただけるということでよろしかったですかな」

「ほんとだっる。でもアンタがそこまで言うならしょーがないし。まぁやるだけやる? って感じ」

「寛大なお言葉感謝いたす。天下分け目の戦い、少しでもお味方を増やしたいのが実情ですからね」

「ざっこ。まあかったるいけど、戦ってあげてもいいわよ」


 微妙にイラっとするのは俺だけだろうか。

 まあ、そんなこともないか。趙雲も苦虫を嚙み潰したようなツラしてるし。

 大徳という名の、煩悩少女になったわけだが、まあ、お茶くみくらいは出来るだろう。マオに預けてしまえば掃除くらいは仕込んでくれるかもしれん。


 それに顔良・文醜と接敵する関羽の説得がある。

 こいつを目の前に引きずり出せば、流石に偃月刀を収めてくれるだろう。

 沮授に短気で思慮が浅いと称された二枚看板だが、袁家の武力の象徴でもあるんだ。簡単に失うわけにはいかない。


 それに、だ。

 俺がイジった設定は、これだけじゃないんだよなぁ。


 まあ見てな。

 世の中には時限式で起爆するブツだってあるんだよ。

 条件さえ合えば、一気に盤上をひっくり返してやるぞ。


「何がおかしいの、袁顕奕。まあ、アンタのチョビヒゲ見てると滑稽で、私も面白いけどね」

「それはそれは。玄徳公がお喜びになるのでしたら、幸いというものです」

「主君が大変なご無礼を……この趙子龍、主に代わって謝罪を……」


 よいのです、よいのです。


「ははは。別に気にしてはおりませんよ。俺の顔に覇気がないのはもとより承知ですからね。願わくば戦場にてツケを支払うということで、一つ如何でしょうか」

「……ご厚情痛み入ります」


 趙雲の苦悩を汲み取れず、劉備は食べるだけ食べて、庭に遊びに行ってしまった。

 以前であれば警戒したのだが、今は何も出来ないただの少女になっている。

 呑気にちょうちょを追っかけてる姿は、犬や猫と同じだ。


「ちょっと、早く私に捕まりなさいよ! このバカちょうちょ! ねえ、趙雲、手伝ってよー!」


「……袁顕奕様、中座失礼いたす」

「お気持ちは御察ししますよ。どうか『その時まで』寄り添ってあげてください」

「……承知いたしました」


 茶髪のツインテールになった劉備。

 身長はまるで中学生のように低くなり、つり目で気が強そうな風貌に変わった。

 桜色の唇を動かし、趙雲を呼ぶ姿は可愛らしくもある。


 だがまあ、ね。

 君は前科が多すぎるからね。

 

 ガキのお遊戯は放っておいて、俺は俺で準備をしよう。

 まずは于禁と李典、そして関羽が来る白馬港の防衛に当たらねば。

 強行軍になるが、仕方がない。顔良を救うには、一刻も早い到着が必須なのだから。

 

 行くぞ、歴史を俺がぶっ壊してやる。

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