第13話 宇宙のクズ

「お前はどうしようもないクズだ!」


 親父や先公、その他大勢の奴らが俺のことをこう罵った。どうにかしようとしたってどうにもならない。俺の生まれつきの性分なのだ。

 しかし、俺にも一つだけ希望がある。どうゆうわけか可愛がってくれた、じいちゃんが残してくれた遺産で無事に手続きを完了し、いつも身に着けているペンダント型のロケットに入れた記憶媒体の遺書に書いてある宇宙葬だ。

 俺が死んだら、遥か上空の宇宙に俺の遺灰は打ち上げられる。宇宙のクズになるというのが俺の誇りだ。


お前はクズだと言われる度に


「俺はそんじょそこらのクズとは違う! 宇宙のクズになる男だぜ!」


という事情を知らない人には意味不明な捨てゼリフを吐くのだったが、後に事情を知った人は言ったまんまの意味だということに唖然とするのだった。

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