第7話 走馬灯上映会
死後にこんなコンテストが待ち受けていようとは思わなかった。
その名も『走馬燈上映会』。
新しく、あの世へ来た者の数が一定数に達すると開かれる、死後の世界の行事の中でも人気があるものだ。
走馬燈上映会の日にはご馳走や飲み物を用意して、次々と頭の中で再生される新しい死者の走馬燈を楽しみ審査する。
走馬燈の一つ一つは一瞬で終わる。審査の基準は、来世でなってみたい人生かどうかで「あの人になりたい指数」として記録され、幸福の基準となる。
さて、審査結果は天界の役員に一瞬で伝わり集計されたが、必ずしも不幸なことのある走馬燈が不人気とは限らない。不幸なだけの人生は人気がないが、波乱万丈の人生は、そのドラマチックさで、刺激を好む人の需要がある。
また、意外と人気があるのは早死にだ。子供時代だけを経験したい子供時代マニアや死後の世界へ早く戻りたい者などの需要がある。
来世で希望通りの人生が送れるかは、前世での善行の量により希望がどれくらい通るか決まるが、一応、「あの人になりたい指数」は参考にしてもらえるらしい。
ちなみに私の走馬燈は、意外と人気があった。平凡過ぎる人生だったが、平穏を望む人も多いということだ。
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