【彼女視点】溶かしたい

最近の私はもっと彼といっしょにいたいという感情が溢れ出していた。こんなことは初めてであり、私はこの感情についてよくわからなかった。彼といるときにだけ満たされるこの心はなんだろう。


今日は彼とデパートに行った。いつも手をつなぐのだけれど、今日は恥ずかしくそれでいて彼に触れていたいとおもってしまう・・・最近の私はおかしいのかもしれない


デパートに着いて私は服を見に行った。彼は私の買い物は長いから嫌というがそんなに長いだろうか・・・?


彼と離れた際にいつも感じない恐怖の感情、心配、それらの感情が渦巻いて私の胸

のなかをぐちゃぐちゃにしていく。彼に会いたい、ただそれだけ。


彼は本屋で漫画を見ていた。私には気づいていない・・・ふふ、後ろからおどかしちゃおうっと。


「大丈夫?お金足りる?私出そうか?」


そう声をかけると彼は飛び上がり、私を見て固まっている。私はそんな彼の顔を見て興奮したときのような高揚状態になった。彼を離したくない、ずっと甘やかしてあげたい。私以外の子と喋らせたくないと。


私は彼に服を見てほしいと頼んだ。彼はめんどくさそうな顔をしながら答えた。


「俺服には疎いけど?」


私は彼にただそこにいてくれるだけど良いと言う。


「本当は?」


そう聞かれた時私はなぜか焦ってしまった。何もやましいことなんてないのに・・・

彼に私の本音の一部を交えながら答えた。


「・・・」


彼は何も言わず『ああ、これはもう駄目だわ』みたいな事を考えていそうだった。


ーーーーー


今日から学校が始まる日だ。


といっても特に何もない一週間だけど・・・

それでも私は彼よりも先に起きて支度をする。彼は生活力がないのに一人暮らしをしているからだ。親に一人暮らしをしたいと土下座して頼み込んだらしい。その一人暮らしに親はもう反対。しかし、彼は諦めず頼み込んだ。そこで私は彼の親にアイディアを出した、それは『私と一緒に生活する』というものだ。


彼の親はそれなら安心だと思い彼の一人暮らし(?)を許可した。計画どおり・・・!

それから私は彼のお世話をしているのだ。一人で何から何までするのは大変だが、彼の行動を写真に取れるので毎日がハッピーである。


そして今日も彼を起こす。


「・・・」


今日も彼の寝顔はとても可愛く食べちゃいたいくらいだった。窓から漏れる光を彼のほっぺたが反射して輝いて、小ぶりの今すぐにでも奪いたくなるような唇。ああ、たまらない・・・♡


だけどそれを我慢して私は彼のことを起こす。


「あと5分だけ・・・」


仕方ないね、それなら何分でも寝かして、その寝顔を目に焼き付けなければ・・・って学校に遅れちゃうよ!!心を鬼にして私は彼のことを揺さぶる。


流石に起きないので切り札を切ることにした。


「目覚めたわー」


もう!なんでこれでおきるのかな!!?


そこから彼と朝食を食べて家をでた。今日も彼がどこかに行かないよう手をしっかりと握る。男の子の手はがっしりとしていて守られている気持ちになれる。


教室に着いて彼は鞄の中からファイルや教科書を出した。そういえば今日は宿題の提出日だった気がする・・・私は彼の宿題がちゃんとできているか確認した。間違いを見つけてそこについて解説をした。彼はわかるとぱあぁっと明るくなり、私にお礼を言ってきた。小さな子供みたいな彼を愛情を込めて撫でた。髪は男の子じゃないみたいにサラサラでいつでも触っていられるくらいの柔らかさだった。


放課後を迎え、私は彼にクレープ屋に行こうと誘った。彼は甘党であり、最近の若い子が好きそうなスイーツを食べることが好きなのだ。彼は私から誘ってくるのは珍しいとばかりになにか企んでいるのではないかと思っているのかな?


目的地のクレープ屋さんについて、彼は注文を始めた。そうここには・・・!

カップル限定の特大クレープがあるのだ!!これは甘党なら一度は食べてみたいと思う一品なのである!


店員さんは私達のことをカップルと勘違いしているのかその商品を勧めてくる。ナイスだ!店員さん!そう!私達はカップル!運命共同体なのだーー!!!


「俺たちカップルじゃ・・・」


これはまずい!!すかさず私は彼が言い切る前に注文をした。


これで私達はカップル・・!!えへへ〜・・・!

では先に彼から行ってもらってその後食べれば関節キスができるということか!!ぐへへ〜〜・・・おっと、それでは行っきまーす!!ふむ、甘い確かに甘い最高だな!甘さと彼の味を感じることができるとは・・・!!


あ!そうだ!せっかくだし彼に食べさせてあげよう!


「は?」


鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をしている。そんなに予想外だったかな〜?まあ、優しい彼なら食べてくれるでしょ!!


彼はほんとに美味しそうに食べるね〜、あ、クリームがついてる。かわいいね。


私が彼のほっぺに着いていたクリームを食べてると


「俺ちょっと用事あるから!!」


って言って走って行っちゃった・・・どうしたんだろうね?


あ と が き

作者です、今回彼女の方を書いていたら彼よりも2倍長くなってしまいました。

彼女を書いてる時は彼よりも楽しく感じました。

好評でしたら続くかもしれないです。

作者

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

甘ったるいお前には塩分が必要だ 御霊 @Alps2324

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ