第30話 楽白とお揃いの装備品を作ってみた


 

 宥子ひろこがポーションを量産している頃、私達ティムチームは私のアトリエに居た。

 「頑張って服を作るぞー」

 そう、服だ!アクセサリーもだが、自分達の服は私のお手製の服で防御力も高い。しかし宥子ひろこに売り飛ばされそうになったヤバいやつでる。宥子ひろこが売り捌いても問題ない物を作りたい。

 そこで出番なのが、楽白らくはくちゃんの糸である。楽白らくはくちゃんの糸はかなりの強度を保つ。

 私とのお揃いの服と一緒に戦闘服を作ろうと思うのだ!色染めは時間がないので出来ないから今回は二人揃って白い服なのである。

 10個残っている玉を出して、まずは手編みで首の部分をザクザクと編んでいく。20㌢ぐらい編めたら、糸閉じをして机に置く。その次に某編みで前衣と後衣を編んでいった。

編み物をしながら皆と談話して楽しい時間を過ごす。

 <まーちゃんは、器用ですねぇ>

 編み棒のリズムにそって身体をプルプルと震わせるサクラちゃんに

 <ほんま見かけによらずっちゅーやつやな。>

失礼をぶっこく赤白せきはくちゃん。

 <なぁ、おやつ喰いたいわぁ。どうせ姉ちゃん遅くなるんやろ!?>

 宥子ひろこの帰還を待つまで待てない紅白こうはくちゃんに

 <勝手におやつ食ったら飯抜きにされんで。アンタらの食事メモってるしな。>

 <バレへんって、この我儘ボティに陥落するやん。>

自信満々に自分の意見が通ると思っている蛇ちゃんズ。

 <サクラもぉ、食べたいですぅ!!>

 サクラちゃんまもでもか!?何でこんなに食意地がはってるんやろう?私はそこまで食に執着しないよ?

 会話しながらガツガツ編み物は高速で進んでいる。後は袖の部分を作るだけである。

 そしたら何故か楽白らくはくちゃんが触手で編み物と自分を交互に指していた。ん?っと思ったが、そういえば楽白らくはくちゃんとお揃いの服を作る約束をしていたな、と思い出した。

 楽白らくはくちゃんの分もってなると糸が圧倒的に足りない。楽白らくはくに糸を追加して貰おう。

 私はウォーマーの袖にしようと思ってたので、袖口を閉じずに置いておく。

 <何やもう終わったんか??>

 紅白こうはくちゃんの言葉に説明し

 <まだだよ。糸が足りないから楽白らくはくちゃんにお願いいて糸を出して貰う。楽白らくはくちゃん、こないだと同じ糸10玉分出してくれる?>

楽白らくはくちゃんのお尻をつんつんと突く。楽白らくはくちゃんもその仕草で分かったのか前回と同じ糸を出してくれた。

 きっかり10玉分出してくれたので、お礼にチョコレートをポイっと口の中に入れてあげると上下に触手を動かした。

 喜んでくれて何よりだ。

 だが、それを不服と思う三匹がいた。

 <ずるいで!>

 <せや!何で楽白らくはくだけなん!?>

 <サクラもチョコ食べたいのぉ>

 ブーイングをする三匹に対し

 <お前らは何も役に立ってないだろう。楽白らくはくちゃんのはお礼!お・れ・い!!>

 無償で報酬やるか!と言えば

 <<<宥子ひろこに言うで(からねぇ)!!>>>

ここぞとばかり脅してきた。卑怯者!

 <ウガーっお前等、私の邪魔しに来てんのか!?宥子ひろこには絶対に内緒だからね!臭いに気付かれたら駄目だから水で口の中綺麗にすること!無臭に近いお菓子を選ぶけど文句言わないこと!良いね!?>

 ビシっと伝えたら三匹共、素直に了承した。本当、食い意地の張ったところは宥子ひろこに似たんだろうなぁ。

 私のカバンからピュア・ロッシェ メレンゲという卵の卵白を使ったお菓子を出した。サクっとふわふわした感触で少し甘いお菓子である。完全無臭とは言わないがあまり臭いがないお菓子である。

 準備万端とあーっと口を開けてる四匹に私はお菓子をポイポイっと口の中に入れて行った。これで少しは大人しくなるだろう。

 案の定、私を除いたティムチームはそれぞれお菓子の感想を言い合いしている。

 今の内とばかりに私はパンツも編んでいった。

 2着と1匹分模様もガッチリ入ったシャツとパンツにレースを施して、ビジューを適当に盛っていく。

 勿論、緊急事態に備えて付与魔法は追加してあるので安心しろ宥子ひろこよ。

 鑑定したら物防3000、魔防5000、小回復と出た。中級冒険者レベルが装備するぐらいの品ではないだろうか?まぁ出来栄えには満足したので宥子ひろこの帰りを待つ。

 そろそろ宥子ひろこも戻ってくるだろうし、私は服と蛇ちゃんズ+αを連れて宿の部屋に戻った。

その数分後に宥子ひろこが帰ってきて、折角作った服を売ろうとするのを止めたり、楽白らくはくちゃんの格好を見てメロメロきゅんきゅんとばかりに顔が崩れてティムチームから白い目で見れる事になるのだった。


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