第25話 子蜘蛛の楽白(らくはく)ちゃんはチートで有能だった
私は
「何これ!!めっちゃ可愛いやん!もしかしてペラアの魔女??欲しかったんだよねぇ。公式グッツでは出てないし、ありがとー!」
リュックを持ってはしゃいでる
「魔石は売らないでね。私がアクセサリーとして使うから。」
「分かってるよ~」
ボソっと伝えると上の空の返事が返ってきた。
「どうしたの?」
何か伝えたいみたいで。前足をフリフリしている。分からなねぇ。というか、君いつ居たの?とギョッとして
「えっと、これはくれるのかな?」
そう問い掛けると、身体が上下に動いた。どうやら糸を出せるから使ってみろと言いたいらしい。
糸は滑らか且つ頑丈で素晴らしい素材アイテムだ。
「もっと出したり出来る?」
また、上下に身体が動く。肯定らしい。
「糸の強度とかは変えたり出来るのかな?」
体が上下に動く。凄くリズミカルだ。かなりマイペースなのか
「この糸があれば、服も鞄も作り放題だぜ!」
ひゃほうっと奇声を上げて喜んでいたら、くいくいっと
「
冗談で言ってみたら、びょ~~んっと大ジャンプしている。
そこで、漸く私は
「OKだよ!私とお揃いの服にしちゃう?」
速攻でOKを出した。高速で触手を上下に振る
「お揃いが欲しいんだね!OK★私に任せなさい!洋服作るなら糸がいるねぇ。粘々しない、ふわふわした感じで柔らかくて丈夫な糸を出して貰って良い?」
私の言葉に
「手触りが良いねぇ。」
褒めると
暫くして、
12個作ったところで、
「頑張ってくれてありがとね。これお礼だよ。
と
くれないと分かると、カサカサと私の肩までよじ登ってきた。
「これ以上は
ふわふわ、ご飯、ふわふわ、ご飯と呟やいてそうな
後に
私は型紙を起こしていく。向こうの世界で浮かない程度にお洒落で機能的な服にする。というか、
布の裁断も終わり各パーツごとに保管していく。中級魔法の指南書に描かれていた魔法陣を裏生地に刺繍していく。勿論、糸は
「完成した時に思い描いていた効果が
ミシンに
作業すること4時間と少し、服が完成した。
「よしよし、見た目は完璧に出来上がってるね。あとは鑑定だ!鑑定っと」
完成した服を鑑定すると防刃8000・魔防10000と表示された。何だこの高性能は!?ボタンは普通の市販のボタンを使ったが、魔石を使えば
〈何してんの?〉
〈せや、暇や!〉
〈お菓子が食べたいですのぉ。〉
いつの間にか足元に集まっている
「服を作ってるんだよ。お菓子あげたら
邪魔すんなよと注意する。
〈行き詰ってんのとちゃうん?〉
〈美味い物で相談に乗ったるで〉
〈良いアイディア出しますの!クッキーが食べたいですの♪〉
サクラがぽよんぽよんと飛び跳ねる。その横でキシャーキシャーと謎の踊りをする
「なら良いアイディアを出してくれたら内緒で蓮の実飴をあげるわ。」
あまりにおいがしないお菓子を提案した。彼等は他のお菓子希望だったようだが、これ以外はあげないぞと無言で見つめると妥協したようだ。
〈具体的にどうしたいんや?〉
「極小の魔石でボタンを作りたいんだけどどうすれば良いのか悩んでる。」
悩んでいた事を告げる。
〈普通の魔石だとダメですの?〉
サクラの疑問に
「ボタンにするのに普通の魔石は勿体ないから困ってるんだよ。
屑魔石を消費したい旨を伝えた。
〈れ、れびん?何やったっけ?そんな名前のあったやん。それで魔石を砕いて混ぜて作ったらどうや?〉
「れびんって、レジンのことか?」
レジンの作品を
〈それそれ!最初から
現実的なアイディアをくれた。これは試してみる価値はありそうだ。だが
「じゃあ試してみるわ。アイディア料な。」
あーん、と口を開けている四匹にぽいぽいと飴玉を放り込む。私はサイエス専用のシリコンモールドを作ることにした。
後にこのアイディアが大成功となりボタンに様々な
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