第20話 無名の作家
「エリーゼさんの紹介だって言ってるじゃん。」
「ですから紹介状を出してください。」
「さっきも言ったけど紹介状なんて無いよ。名前出せば分かるって言ってたし!商談したいんだってば!此処商業ギルドだよね!?」
受付嬢と上記のように話が、ループして中々商談できる人に会わせてくれない。
職務怠慢だよ、とブーたれてたら
「アンナさん、あそこにいるの私の妹なんですけど誰かに紹介されてここに来たみたいです。」
「ヒロコ様の妹さんですか。少し、お話を伺って参りますね」
美人さんは受付で揉めている私達の間に割り込んで来た。
話が出来る人GETした私は事情を説明し、
「エリーゼ様からの紹介と仰られているのですが、紹介状などはお持ちではないとのことで対応に困っているんです。」
サクっと
「妹よ、そのエリーゼ様って人の紹介で来たなら紹介状の一つくらい貰っておきなよ」
「名前を言えば分かると言われたんだよ。」
と無実を主張した。
「何が切欠で紹介の話になったのさ。」
本当に面倒事を持ってきてと言わんばかりの
「街で美味しいって言われているカフェに入って試作品広げてたら人が集まってきてさ。その時に助けて貰ったの」
私は悪くないよ!と主張するもスルーされた。酷い。
「アンナさん、妹の作品も見て貰えませんか?」
「ヒロコ様の頼みであれば」
アンナさんって呼ばれた美人さん、
快く承諾してVIP室?に通された。
アイテムボックスから今まで作った数々の作品を提示した。
全部出したところでアンナさんの目が輝く。
「これは、匠の域ですね。どれも美しく目移りしそうですね。」
彼女は作品を手に取り頭の中で適正の価格を割り出していることだろう。
「どの作品にも刻印が押されていますので一点ものになります。高レベルのモンスターの素材を使っているので、販売するとなると富裕層がターゲットになると思います。」
「無名なので、高額では売れないでしょう。ですので、個数限定で一般人に販売し話題作りをしてから、指名依頼という形でオリジナルのアクセサリーを受注するのが良いかと思います。」
提案をしていく。それに賛成した
「まずは、ギルドの受付嬢の皆さんから反応を見たいと思います。今回限りということで、格安で販売しますので宣伝お願いします。これならどうでしょうか?」
原価割れを提案する。アンナさんの目がキラリと光ったような気がする。商人って怖い。
「少し、こちらを持って行っても良いですか。相談してきます。」
私作のアクセサリーが受付カウンターにいる受付嬢に見せている。
キャーキャーいう声が聞こえる。反応は良い感じだ。
「
「金貨1枚かな。損して元取れって言うしね」
「了解!」
戻ってきたアンナさんは、受付嬢の了解も取り付けたということで金貨1枚均一でアクセサリーを売り捌き、その後ジワジワとアクセサリー作家『
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