第15話 私、異世界へ行っちゃいました



 「あー蜘蛛を契約テイムしたい。」

 蜘蛛の尻から出る糸で作る服は嘸かし気持ち良いんじゃないだろうか?それに灰汁の強い三匹とは違って可愛い性格なの希望!!

 アイテムボックスが無いので私は多機能ウェストポーチとリュックの作成する事にした。

 勿論、デザインはシンプル系を目指す!!

 「飾りは今回は無しで良いかぁ。生地は帯の余りと着ない着物で良いかな。THE和って感じで作ってみたかったんだよね。」

 型紙を起こしてまずはウェストポーチの作業に取り掛かった。柄の綺麗な所を中心にカットしていく。

 「去年のお正月にお世話になったんだよねぇ。」

 感慨深いと思うも実はこの帯の値段500円なのである。着物専門の古着屋で売っていたので一年だけ使おうと思って購入した品だった。

 私は物に対し結構な飽き性だったりする。だから新しい物が出たら飛び付くが、未開封で処分なんてザラなので帯はきちんと使ってリサイクル出来たので良しとした。

 時間を見つつ作る事6時間!立派に完成しましたウェストポーチ。ポイントは和風っぽいチャックの取っ手です。レジンで和柄の布をコーティングしてくっ付けました!

 「防水予防もしないとダメだよね。防水スプレー置いてあったはず。」

 作業場をゴソゴソと探し出す。宥子ひろこから見るとこの作業部屋は大層散らかっててゴミ部屋と呼ばれた事があるぐらいだ。私としては物の位置に何があるか把握しているので大丈夫なのだが、宥子ひろこはこの部屋を掃除したそうにしている。掃除されたくない私と掃除したい宥子ひろこの攻防は続いているのでそろそろ部屋に鍵を付けようかと思う。丁度、宥子ひろこはサイエスにいるし、金貨でお金儲けてるから鍵を付けるぐらいは支払い出来るのだ。

 見つけたコーティングスプレーでウェストポーチに降りかけ満面無くコーティング出来たら部屋の中に吊るして乾かしておく。

 鍵を付けたのが宥子ひろこにバレたら怒られるかもしれないが、大丈夫だろう。早速鍵屋に電話したら今日来れるって事なので、私はご飯を食べて待つことにした。

 






 やっぱり蛇ちゃんズが居ないと寂しい。私が購入したのに蛇ちゃんズは宥子ひろこに強奪され、しまいには契約テイムされているって酷くないか???

 その内、宥子ひろこに全部持って行かれそうで怖い。

 「私が出来る事ってバックアップぐらいだし、宥子ひろこよ、向こうで問題起こしてないだろうな??」

 そんな私の予感もバッチリと当たってたのは、宥子ひろこと合流して知る事になるのだった。

 「そろそろ約束の二週間になるし、ちゃんと帰って来るとは思うけど、何かあったのかな?」

 メールに《いつ帰って来るの?用事終わった?》とメールを送って携帯を仕舞った。

 テレビを見ながらボーっとしてるとピンポーンと呼び鈴が鳴った。何かあったか?と思って扉を開けると

 「宅配便です。サイン下さーい。」

 配達のお兄ちゃんが物を持って立っていた。私はハンコを押して品物を受け取る。

 「宥子ひろこ宛てじゃん。ニャルカリってフリマかよ!!」

 宥子ひろこの事だからブランド物のバックとかかな?って思った。宥子ひろこの収集癖って固まっているので分かりやすい。まぁ、私も一時期はサングラス集めにハマってたので人の事言えないけどね。

 そう言えば、チャネルのフレーム使ってメガネのレンズを入れ替えしたいって言ってたっけ。次いでに私のも入れ替えしようと思う。宥子ひろこのメガネの度数は知ってるし、鍵屋が来てからメガネ屋さんに行こうかな?

 宥子ひろこがお気に入りって言っていたチャネルとガッチのサングラスを持って、私の部屋に置いてあるチャネルのサングラス2個を持ってリビングへ戻った。

 両方色付きのメガネにレンズ変更しようと思う。一つはブルー、もう一つは茶色かな。

宥子ひろこは色には強い拘りがないから別に構わないだろう。

 そうこうしている内に鍵屋が来て私の部屋に鍵を取り付けて帰っていった。




 「まだ時間あるし、眼鏡屋さんに行くかぁ!!」

 服を着替えてバックの中に財布とサングラス4つ、エコバックに洛陽住藤原国広とハンマーがある事を確認し玄関から外に出たら、サイエスに居た。え、マジか!?私はアイテムボックスを持ってないので武器になる物と言えば、洛陽住藤原国広とハンマーぐらいになる。後は持ち運び用のエコバックぐらいだ。手に持っていた電動バランススクーターに乗って取り合えず近くの街を探す事にした。

 時速30㌔と遅いが仕方ない。早めに街に行って現在地を確認しなければ私の命がヤバイ!!

 バランススクーターで走る事1時間、遠くに街が見えてきた。此処まで来るのにモンスターに何回も遭遇しているため、レベルは上がっているんじゃないかと期待している。怖いのでステータス画面は確認していないが…

 特にキングホーネットに遭遇した時は死んだと思った。あの女王蜂よりも大きく、頑丈だったのだ。女王蜂がエリアボスじゃなかったんかい!と思いながら戦闘に突入し

 「頭突きってありなわけぇ~??」

 速攻で私に頭突きをして来たキングホーネットを交わし関節に洛陽住藤原国広を突き立てた!

 「グギャっ」

っと悲鳴を上げるも攻撃の勢いは止まらない。

 めちゃ頑丈じゃねーかっと吐き捨てもう一度同じ場所に洛陽住藤原国広を突き立てた。

そしたら腕がもげた。ラッキーと思ったら思いっ切りカウンターを食らって吹っ飛ばされたよ。痛い。

 「腹立つなーお前なんざカチ割ったるわぁ!!」

 百均のハンマーでキングホーネットの頭部を連打連打連打。

 「文明の機器が無くてもなぁ↑蜂モンに人間様が負けてたまるかっつーのっ!おらおら、サッサと金銀財宝ドロップせいやぁーーーーーーーーっ!!」

 ビシビシと当たる羽攻撃もハイテンションになっている私の前では無力化され、ハンマーで頭部を潰されたキングホーネットは泡となりドロップ品が地面に転がっていた。

 私はいそいそとキングホーネットのドロップ品を回収し、幾らで買取されるかワクワクしていた。

 羽に毒針、毒袋、赤ちゃんの手サイズの青い魔石がドロップされた。

 キングホーネット以外は低レベルモンスターなのでバランススクーターで轢き殺しては、ドロップアイテムをエコバックに拾って詰めるを繰り返して街に何とか着いたのである。宥子ひろこがその街にいるとは知らず、門番とトラブルを起こして私は警備兵にドナドナされていったのであった。



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