第6話
望月を床に仰向けに寝かせて彼女はその黄褐色の瞳を潤ませながら私の目を見る。
こちらを見る眼差しがあどけない生娘の仕草を覗かせる。まるで
彼女の片手を握りしめて頬に擦り寄せると微笑んできた。
「初めてか?」
「そうだよ。だから、痛くしないで。できそう?」
「なるべく優しくする。痛くなって違和感が出たらやめるから、直ぐに言ってくれ」
上半身を丁寧に愛撫して嫌がらないように身体の部位に触れていく。下半身の下着を脱がして片手の中指を隠部に入れていくと、膣の中から分泌物が溢れている。中で回しながら陰核にかけて指でなぞると、彼女は何かを感じ始めていた。
「気持ちいい?」
「うん。もっと続けて……」
身体の中で性感帯を呼び覚ましながら彼女は自身の快感を得ていく。その様子を伺いながら私も彼女の息遣いに反応していく。何度か唇を交わしてはお互いに舌で絡ませては笑い合う。
膣の中を指で出し入れしては首を反り痛ぶる仕草を見せてきたので、指を奥深くに入れて激しく突いていくと、絶頂に達したかのように呼吸が止まり再び息をして乱れた呼吸を聞きながら、どう感じたか尋ねてみると、涙目になりながら無言で口を動かしていた。
「痛かった?」
「なんか、頭の上が痺れる感じみたい。これが……感じるとかって意味なのかな?」
「そうだよ。上手くできたね。」
「……それじゃあ次に先生のアレを入れてきて?」
「早くないか?無理しなくていいんだぞ?」
「良いの。痛かったからちゃんと痛いって言うから……」
私は引き出しからコンドームを取り出し陰茎につけようとしたが、望月はつけないでくれとせがむ。避妊しないと本当に受精してしまうから装着すると言ったが、彼女は起き上がりコンドームを取り床に投げ落とした。
「先生の精子がほしい。……赤ちゃんがほしいの。」
「母親になりたいのか?」
「なる。先生と一緒になる。だから、私に全てを預けて。……先生しかいない。」
「前にも言ったが、子どもを産んで育てるのは容易じゃない。君はまだ十六だ。今から急いで将来を決めなくてもいい。もう一度考え直せ……!」
すると、彼女は私にしがみつくように抱きついてきた。
「ここまできたら引き返したくない。……お願い。私、お母さんになりたいの」
「僕は……君のパートナーにはなれないよ。」
「なれなくてもいいから、私に赤ちゃんを授けて。他の男子なんか嫌!先生がいい。……あなたしかいない。これは実験じゃない。本気なの。」
「本音を言うと、僕も君がほしい。後戻りできなくなったが、これでいいと思う。君をもっと知りたい。だから……まず今日はコンドームをつけて最後までしたいんだ。」
私は彼女に向かって土下座のように頭を下げると、
「先生。なんか、男子みたいに可愛い」
「また揶揄うのか?こっちは真剣なんだ」
「……真剣に私の事、大事にしてくれる?」
「ああ。大事にする。……また、抱いていいか?」
「いいよ。コンドームつけていいから、してください」
私は彼女の髪を撫でてもう一度キスをし、ベッドに連れて枕元に寝かせて両脚を開き身体中を愛撫しつ
彼女の恥じらいを交える赤く澱んだ喘ぎ声を聞きながら私は皮膚から汗を吹き出していく。吐息で交差する音に耳を立て、上下に揺らす身体を低速する視界として彼女を眺めている。
美しくて脆くも愛らしい蝶々だ。
私は、完全に
一度化けた身は牙を剥き出しになりながら少女を汚していき、上手く獲物を仕留めたと喜びを噛み締める。だが少女は同じようにその喜びを受け入れてくれた。逃げも隠れもせず素直に私を感じられる嬉々で満ち溢れている様子を見ていると、彼女を受け入れて良かったのだと自負しそうになった。この過ごした時間が刹那で虚しくもあり、もう少し傍にいてほしいと言いたかった。
今にもどこかへ逃避行したい気分だ。
誰も触れることのない別世界の彼方へ彼女と二人きりで空を渡り海を渡り飛んで行ってしまいたい。私は強いて言えば弱者だ。身の程もわきまえずたった二人で全てを決行してしまったようなもの。この後にくる猛威に
白露の陰りを見せる月は私達を
益々身体の痛みが疾走していくようで周囲に拒みだそうとしている私は何になりたいのだろうか。
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