第33話 喜劇か七不思議か

「まぁ白兄にも僕たちに言えないような事は沢山あるでしょう? 余り弟を虐めてはダメです」

そういい、それ以上の詮索を玉響が制止する。

そして幽玄を見て軽くウインクしてみせる。


「ゆら兄は相変わらず敵わないな」

幽玄は安堵の表情を見せると、問題となっている場所であろう表門の前に向かって歩き出した。


何てことない、門を潜った敷地内でその光景を確認し幽玄は更に苦笑する。

ちょっとした段差で、その双子は三輪車を停め座っていた。

何か問題発生とか言っていたが、誰かが与えたアイスクリーム片手に、それを嬉しそうに堪能している。


周りでは、どう考えても関わりたくないような屈強な男どもが、何だかんだ言いながら幼児の相手をしている。

どう考えても、喜劇か七不思議的超常現象でしかない。


その輪に向かって幽玄は歩みを進める。

幽玄の姿を見つけると、皆深々と頭を下げた。


「んで……この状況を説明してみろ」

ギャングツインズの前まで歩み出て、幽玄はギロリッと双子を確認すると、誰に対してでもなく状況説明を要求する。


普段、双子と関わっている時に不動家直系と出会うことは無かった。

どう考えても絆されている状況に、焦りと共にどう説明していいのかどもる。


その状況の渦中の双子は全く動じることは無かった。

アイスクリーム片手に幽玄に視線を置くと、じーっと観察している。


ふと、何かに気付きアイスクリームを食べる手を止めた。

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