第33話 喜劇か七不思議か
「まぁ白兄にも僕たちに言えないような事は沢山あるでしょう? 余り弟を虐めてはダメです」
そういい、それ以上の詮索を玉響が制止する。
そして幽玄を見て軽くウインクしてみせる。
「ゆら兄は相変わらず敵わないな」
幽玄は安堵の表情を見せると、問題となっている場所であろう表門の前に向かって歩き出した。
◇
何てことない、門を潜った敷地内でその光景を確認し幽玄は更に苦笑する。
ちょっとした段差で、その双子は三輪車を停め座っていた。
何か問題発生とか言っていたが、誰かが与えたアイスクリーム片手に、それを嬉しそうに堪能している。
周りでは、どう考えても関わりたくないような屈強な男どもが、何だかんだ言いながら幼児の相手をしている。
どう考えても、喜劇か七不思議的超常現象でしかない。
その輪に向かって幽玄は歩みを進める。
幽玄の姿を見つけると、皆深々と頭を下げた。
「んで……この状況を説明してみろ」
ギャングツインズの前まで歩み出て、幽玄はギロリッと双子を確認すると、誰に対してでもなく状況説明を要求する。
普段、双子と関わっている時に不動家直系と出会うことは無かった。
どう考えても絆されている状況に、焦りと共にどう説明していいのかどもる。
その状況の渦中の双子は全く動じることは無かった。
アイスクリーム片手に幽玄に視線を置くと、じーっと観察している。
ふと、何かに気付きアイスクリームを食べる手を止めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます