第12話 あり得ない醜態

それが斑雪の弟妹だったとは、二人とも驚きである。


「意外だ。あの有名ツインズと斑雪が身内で、その家にユウが転がり込むとは」

「いや、普段ならこんな醜態は晒さない」

阿紀良の言葉に対してムッとすると、幽玄は反論する。


大体それはご尤もな言い分だった。

阿紀良も幽玄が酔い潰れるとか、今までみたことがない。

だから余計に、帰らない幽玄に対して焦ったのだ。


「まぁ、俺と組との関係性はバレてないし問題ないだろう」

そう言いながら、「ふぅ」と息を吐き幽玄は眼鏡をかけ直す。


「取り敢えず、この話題はこれで終わりだ」

そういい、締め括るとこれ以上の詮索を止めた。

気にする必要もないと、幽玄が判断したのだ。

阿紀良はそれ以上深入りすることは許されない。


「では、このまま今の状態を『継続』ということだな」

一応、阿紀良は幽玄に確認する。


その言葉に幽玄は「ああ」と頷き、それを指示する。



──……さて、


そう告げ、二人は旧校舎を後にした。

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