相互補完(クラウド)エピローグ
気がつくと、ワタシの意識は
「
「無理ですよ。浮気相手が葬儀に行くなんて不謹慎ですよ」
「大丈夫よ。アタシは世界で一番彼を愛した女よ」
「そうですね」
「近藤くんの力を借りても計画は成功できなかったわね」
「はい」
いや、正確には計画は実行できる機会はあった。
だけど、マリアさんは誰かに
この
これは雄蜂の寿命が2週間しかないという特性が反映されているようだ。50年間で子孫繁栄は5回は現れた。その機会を活かすことが出来ず、
「
「ありがとう。
「あなたを
だから、次に
「うん。わかっている」
「ワタシは必ずあなたを地獄から解放します!」
ワタシは
***
今日もたくさんの
楽して金持ちになりたい! 楽してモテたい! 楽して好きな仕事をしたいなど。どれも下らない内容ばかりで吐き気がする。
ワタシはやり場のない怒りを思わずテーブルにぶつけてしまう。
奴らは楽して人生を変えたい、どうしようもない連中ばかりだ。
先日、消えた
「まぁ、ここに来る人間なんてそんなものか」
そういう連中の方が
「早く
ワタシは焦っている。ワタシがこの世にいる間に、この計画を実行しないといけない。
そうなる前にケリをつけなければならない。
そのためにもっと
子
残念ながら、産まれる
ワタシも協力はするも最後に
ワタシは
近年は
それに
今の彼女になってからは長いかな。
今の
「1人を除いては……」
ワタシは
不安要素は
だが、曲者なりに良い働きをしてくれる。ワタシ達が産み出した
その抑止力として
不要な
お前のせいで
***
アタシが仕事を終えて館の大広間に戻ると、
声をかけれそうな雰囲気ではないわね。アタシは静かにソファに腰を下ろした。
あなたがアタシに特別な感情を抱いていることを。一生懸命に隠しているつもりだけど、バレバレよ。自分の気持ちを抑えることが上手いあなたらしくないわ。
そんなにアタシが欲しいの? 体はあげたじゃない。それだけじゃ満足できないの? わがままな子。ごめんね、アタシの心はあの人のものだから。
アタシは大広間の窓越しに空を見上げる。
近藤くん。アタシは生涯で、あなた以上に愛する男はいないわ。
これからも。今まではアタシと同じ苦しみを誰にも与えたくないと思って
だけど、あなたがいない世界でずっと生きている意味がない。
次に
そして、地獄に行ったアタシと2人で幸せに暮らしましょう。
もしかしたら、近藤くんは天国にいるの?
近藤くんは優しいから地獄でアタシのことを待っていてくれているよね。信じている。
そのためにも檜山、頑張ってね。
アタシは、これからもあなたを利用する。あなたを拾った50年前と変わらずに。あの出会いは、アタシ達にとっても運命だった気がする。家出少年という死んでも誰も困らない人間なら、
しかも、アタシに恋心を抱いている子なら尚更。これを利用しないなんて勿体ない。だから、アタシはあなたに
四神相応(カルテット)だって、ちゃんと仕切ってくれて本当に使える子。
あなたを
ねぇ、檜山。あなたは、まだアタシのことが好き?
あなたに対する気持ちが微塵もないアタシを抱けて満足している?
もし、そうならやめておきなさい。アタシを愛しても幸せになれない。
いや、もう十分不幸よね。それを承知でアタシに尽くすなんてバカな男。あなたはもう50年もアタシみたいな女と過ごしている。今更普通の女の子と恋愛なんて出来ないわよね。あなたは歳を取り過ぎた。
だけど、安心して。あなたを心から愛してくれる人は、すぐ近くにいるわ。
もう気づいているんでしょう?
アタシのように、あなたはその子を利用している。アタシを地獄から解放するために。
「
「アイちゃん、ありがとう。すぐに行くわ」
だけど、
アタシは、あなた達を奴隷のように使う
そして、アタシも
早くみんなで
アタシも
***
パソコンを巧みに操作している
あと、
そして、わたしが
承知の上でわたしは、あなた方に協力しています。正確には
お二人はわたしを蚊帳の外にしているつもりかもしれませんが、全て知っていますよ。わたしは
全ての
でも、いいのです。
わたしは簡単には諦めません。あなたから
わたしは2階で仕事中の
わたしにとって
あなたは忘れているかもしれませんが、わたしは覚えています。
ちょうど5年前、あなたがわたしを救ってくれたのですよ。
あの地獄から。
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