⑪異能力者(サーヴァント)の取説


 相互補完クラウドになったオレは、マリアさん改め天地創造クイーンのために何をするべきなのか?

 そもそも相互補完クラウドがどういう存在なのかもよく分かっていない。


 だけど、その答えはすぐに分かった。

 この能力を手に入れてから数日後、オレは謎の赤い本が自由に出し入れできるようになった。

 その本には異能力アビリティについて詳しく書かれていた。


「まずはオレの能力を知らなくては」


 オレは赤い本を捲りながら、相互補完クラウドについて調べる。


「あった」


 相互補完クラウド異能力アビリティ天地創造クイーンが産み出した異能力アビリティを受け取って別の人間を異能力者サーヴァントにする。又はその異能力アビリティの管理である。


 オレは異能力アビリティの管理者みたいな存在のようだ。

 そして、天地創造に仕える四神相応カルテットと呼ばれる四天王のような存在のリーダー的な存在らしい。


四神相応カルテット?」


 音楽の四重奏を意味する言葉。つまり、天地創造クイーンのために動く4人の異能力者サーヴァントということか。

 オレ以外にあと3人いるのか。


「それがこの三つの能力か」


 オレは四神相応カルテットのページを開く。

 そこには天地創造クイーンを支える異能力アビリティの名前が書かれている。


相互補完クラウド


監視体制プライベート・アイ


因果応報キラー


意図電話テラー


 初見では、この三つがどんな能力で、どのような役立つ能力なのか全く理解できない。まぁ、追々この異能力アビリティについて調べなくてはいけない。


 まず、この3つの異能力アビリティを使える異能力者サーヴァントを見つけて四神相応カルテットに加える。

 これがオレの成すべきことだ。


「なるほど。オレを含めて4人が天地創造クイーンを支える。まさに四天王だな」


 まずは残り3人を集める。オレのように天地創造クイーンに絶対服従を誓える面々を。


***


 相互補完クラウドになったオレは天地創造クイーンのためにたくさんの異能力アビリティをばらまいて異能力者サーヴァントを産み出した。 ほとんどの奴が禁止事項タブーを破って自滅してばかり。

 それは四神相応カルテットの面々も同じであった。

 オレが連れてきたメンバーはことご禁止事項タブーを破って使い物にならなくなった。


 これじゃあ、天地創造クイーンの望みを叶えられない。

 オレは焦りを隠せなかった。


天地創造クイーン


「どうしたの? 相互補完クラウド


「申し訳ございません。また四神相応カルテットのメンバーが……」


「仕方ないわ。出来るだけ早くメンバー補充をお願いね」


「畏まりました」


 オレは天地創造クイーンに頭を下げて再び四神相応カルテットのメンバー探しを開始する。オレと天地創造クイーンに服従するようなどれいを。

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