⑫寄生虫の成れの果て

 それからも僕は寄生事実パラサイトを使って様々な異性と行為をした。


 初体験の相手であるマユミと行為後、彼女の意識を僕が操れるようになった。それを利用して男とも行為をした。


 男に襲われるのは正直気持ち悪かった。

 だけど、女としてする行為も想像以上の快感を得ることが出来た。


 マユミと行為をした男を使って別の女の子と行為をする。


 このループを繰り返している間に僕の経験人数は3桁になった。

 しかも一般人だけではなく、芸能人とまで行為が出来るようになった。

 僕は寄生事実パラサイトのおかげで幸せな性活を送っていた。


***


 蝶野を利用してマユに告白する計画は失敗してマユと一線を越えた。

 それをどこかで望んでいたはずなのに。ただ虚しさだけが心に残った。

 マユの意識に入ることで僕はマユの本心を知ることになる。


 マユが僕のことを好きでいた。そんなことはないと思ったが、マユの中には僕のことが異性として好きという感情があった。


 どうしてマユは僕のことを好きになったんんだ。

 その理由が知りたくてマユの心の奥へと入っていった。


 子供の頃、虫が苦手なマユの背中に芋虫がついてしまった。

 それを僕が取ってあげたことがきっかけだった。


 そんなことで。そんなことで僕をずっと好きでいてくれたのか。


 純粋という言葉が具現化したマユを僕は穢してしまった。


 僕はもうマユに関わってはいけない。

 それから僕は寄生事実パラサイトを使ってマユへとアクセスをやめた。


 僕はマユを穢してしまったことを忘れるために寄生事実パラサイトを使って色んな人間と行為をした。


 でも、僕は満たされなかった。もっと、もっと。

 僕は寄生事実パラサイトを使い続けた。


 終わりのない欲求を満たすために。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る