寄生事実
寄生事実(パラサイト) プロローグ
わたしは今回の監視対象を選ぶため館の大広間にいた。
業務用のノートパソコンを立ち上げて
誰にしよう。正直、どの
まぁ、自分の欲望を満たしたくて
少なくても誰かのために
いや、一人だけいる。わたしは”その方”の力になりたい。
そう思って、わたしは
いけない。業務中に私情を挟んでしまった。集中しないと。わたしは気持ちを切り替えてパソコンの画面と睨めっこを再開する。
わたしが
大理石の床をコツコツと軽快なリズムで鳴らしている。
あの方がこちらに向かっている。
わたしは振り返らなくても誰かすぐにわかった。
「
あなたの声はなんてステキなんでしょう。寝る前にスマホに録音したあなたの声をずっと聞いているほどの魅力がある。
ベットの中でこの声を聞きながら寝ていると、あなたがわたしに耳元で囁いている疑似体験が出来る。わたしの細やかな楽しみの一つでもある。
「
「はっ!
思わず
「大丈夫ですか?」
「はい。申し訳ございません」
「最近、仕事ばかりで申し訳ない。そろそろ羽を伸ばした方が良いでしょう。
「大丈夫です!」
「しかし……」
「ご心配はいりません。わたしは大丈夫ですから」
「そうですか。でも、無理はしないでくださいね」
それだけで私の心は満たされる。
「
わたしは
わたしが目星をつけている
生理的に受け付けない
この方にしよう。わたしは候補者を見つけると、パソコンの画面に表示する。
画面には一匹のカタツムリが描かれているカードが映し出されている。
しかし、そのカタツムリは異形である。目玉が緑に染まり、何かがうごめているようにも見える。
気持ち悪い。この絵柄もそうだが、この能力自体も異常である。
「
「そうですか」
しかし、ご興味がなかったのか
「別の
「いえ、問題ありません。
「畏まりました」
全く虫唾が走る。
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