第2章

2:1


 耶蘇モモ基督タロウが明石家の代に、岡山の何某にてお生まれになったとき、東から来たイヌ・サル・キジがどこぞに着いて言った、


2:2


「吉備の王としてお生まれになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方で黍の匂いを嗅いだので、王の団子をパクりにきました」。


2:3


 明石家はこのことを聞いて不安を感じた。岡山の人々もみな、同様であった。


2:4


 そこで明石家はイヌ・サル・キジを呼びつけて、団子について詳しく聞き、


2:5


 彼らをつかわして言った、「行って、詳しく調べ、見つかったらわたしに知らせてくれ。わたしも団子をパクりに行くから」。


2:6


 彼らは出かけると、見よ、見つかった。


2:7


 そして三匹は、家に入って、母マリヤのきびだんごをパクりと平らげてしまい、また、耶蘇モモ基督タロウの家臣としてその身をささげた。


2:8


 彼らが寝入ったのち、サボテンを食ってガチギマりのヨセフの前に主の使いが現れて言った、「立って、幼な子と母を蹴りだして、鬼ヶ島に追いやりなさい」


2:9


 そこで、ヨセフは立って、幼な子とその母を家の外に蹴りだした。それは、主が預言者によって「耶蘇モモ基督タロウは鬼ヶ島に行った」と言われたことが、成就するためである。

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