第13話 タワマン4LDK ペットな彼女? つき


「着きましたよ! 泰明様」


今、俺は途中で高級車のリムジンに乗り換えて此処に来た。


最初はあの恐ろしいツクヨミという女の車に乗っていたが、途中でこの車に乗り換えた。


こんな車、俺は乗った事も無いし、いやそれ以前に見た事が無い。


それより…此処だ。


どう見てもタワマンにしか見えない。


「此処は一体…」


「此処の401号室が泰明様のお部屋になります。こちらは鍵になります」


出来る執事風の男からカギを受け取った。


「このタワマンに俺が住めるの?」


「はい、まだ低層階ですがそちらの部屋が泰明様の部屋になります」


「『ロイヤルシャトー』凄い高級タワマンですね」


「別名をデーモンズタワーになります…この国の危ない人物が住んでいるマンションになります…このマンションの中は治外法権! 警察も絶対に入って来れません!そして一切の法律は通じません…但し『所有者同士の揉め事』は法度…この中では敵対している組長同士ですら、仲良く暮す…そういうルールでございます」


恐ろしい話だが…


「何故、俺はこんな高級なマンションに住めるのですか」


「それは、貴方がもうこちら側の人間だからでございます…更に貴方にはスポンサーが居るから…それだけでございますよ…部屋に行けば必要な物は全部ありますし、お金もあると思いますよ…あと、実力次第では上の階に上がっていき…特典も多くあります…では、今後の人生をお楽しみください」


「ありがとうございます」


俺がマンションに入るのを確認してリムジンは走り去っていた。


◆◆◆


やはり、此処は普通じゃない。


『あそこにいるのは、我画じゃないか?!』


確か麻薬と女で芸能界を去った一昔前の有名俳優だ。


『こっちに居るのは、達人…』


この人は映画にリアリティを求めて真剣を使い…確か相手を殺してしまったんだよな。


「どうしたんだい?! 僕の顔になんかついているのかな?」


「あはははっ、相変わらずカッコ良いな…そう思いまして、流石日本で1番ハーレーが似合う男ですね」


「おや、ファンなのかな? それじゃ握手だ…それじゃね」


「なんだ芸能人が好きなのか…それ儂も握手じゃ」


達人は握手が嫌いって聞いたきがするんだけどな…


「良いんですか?」


「本物の狼相手の拍手…儂が嫌うわけなかろう…悪いが行かせてもらう、気が向いたら茶でも飲もう」


そう言うと達人も出て行った。


訳が解らない。


此処にいてまた他の人に会うのも気まずいのでそそくさとエレベータに乗り自室に向かった。


◆◆◆


カギを使い中に入ると…


凄いなこれ…4LDKで一番小さな部屋で8畳位はある。


床が大理石張りで凄くゴージャスだ。


テーブルには無造作に100万円の札束が20個置いてある。


俺は不味い所に足を踏み入れてしまった気がする。


だが、死ぬよりましだ。


あのまま行けば、恐らく死刑か良くて終身刑…そう考えたら…まだ良い。


さてと…うん。


何故、大型犬用のペットシートがあるんだ。


それに全てのドアに犬や猫が通り抜けるようなドアがついている。


ペットが居るのか…それも悪く無いな。


そう思って見ていたらペット用のドアから顔が見えた。


嘘だろう…


『天使明日香』だ。


目が合うと明日香は話し始めた。


「明日香は貴方の従順な犬です…どんな事でも従いますし、ご主人様が楽しい毎日を送れるように…頑張ります…だから痛い事はしないで下さい…虐めないで下さい…それだけ約束してくれたら…ううっ心から愛します…全てを捧げますから…本当に何でもしますから捨てないで下さい…お願いだから…捨てないで…下さい」


確かに天使明日香だが…両手は肘から先が無く、足は膝から先が無い…簡単に言うと『人犬』状態で…裸でしっぽがあった。


幻覚じゃないよな…


取り敢えず、俺はベッド行き毛布を持ってくると彼女に掛けてあげた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る