第2話 SHUT UP!(静かにして!) 

 大学時代に所属していたサークルの、顧問だった英語科の先生が、大学教授を退職なさったため、「有志の皆さんに英語を教えたい」とのご要望を、私の友人が受けました。

 さっそく、彼女が定期的に開催できる場所を確保してくれました。

 彼女の友人でもあり、同じサークルのメンバーだった私も、参加者として月に一回、英語の勉強をすることになりました。


 私は高校卒業以来、英語は勉強していません。

 卒業までに、熱心に勉強していたわけでもありません。


 ただ、英語の教科担任が受験に必要な『意味を読み取る』『書く』英語の授業ではなく、『話す英語』に、とても力を入れていた先生でした。

 おもに唇と舌の動かし方を中心に。


 そして先日、第一回目が催されました。

 私は先生の斜向かいの席を陣取って、先生の唇と舌の動きをガン見です。


 大学時代の先生(あだ名が大福先生でしたので、大福先生と書かせて頂きます)の学生だった方の参加者や、仕事でグローバルに活躍なさっていらっしゃる方の参加者がたくさんいたのが、不思議な感じ。

 皆さん、ネイティブ張りに英語が話せる方なのに。大福先生の人望かしら。とりあえず、第一回目の教材は、以下のものでした。


(A)I said Sh! Sh! Baby's sleeping!

(B)What did you say?

(A)I said Hush! Hush! Baby's sleeping!

(B)What did you say?

(A)I said,Please be quiet. Baby's sleeping!

(B)What did you say?

(A)I said Shut up! Shut up! Baby's sleeping!

(C)WAAAAAAAAAAAAAAAA

(A)Not anymore.


 眠っている赤ちゃんがいるから、お母さんのAさんはBさんに大きな声を出さないで欲しいと言っています。ですが、その懇願も小声であるため、Bさんには聞き取れないという場面です。

 長くなりそうですので、講義内容は次のページで行います。

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