リアリングモンスターズ 第2話
作・るふまる
レーキス 冬華のリアモン
実況
〜役表〜
火威 珠武 レーキス(不問):
白雪 冬華(♀):
下っ端A 実況(♂):
下っ端B(♀):
チャンピオン 通行人(♂):
____________________________
珠武「旅に出る〜!って勢いよく研究所を飛び出してきたはいいものの...何をすればいいんだ!」
間(独り言を呟きながら歩く)
珠武「とりあえず、この街にくれば何か手掛かりが掴めると思ったんだが...」
実況「さぁ、いよいよです!今日の主役はもちろんこの男!チャンピオンとなってから全戦全勝!その内99%は前半戦でのTKO勝ち!最強という言葉はこの男の為にあるようなものです!さぁ、今日はどのような戦いを見せてくれるのでしょうか!?」
珠武「ん?なんだこれ?」
通行人「お前さん、ハジマタウンから来たのかい?こいつはチャンピオンチャレンジシップと言って、年に数回、選ばれしもの達がチャンピオンに挑戦できるお祭りさ!この祭りが始まると街中にこの戦いが中継され屋台が沢山並ぶんだぜ?」
珠武「へぇ、それでこんなに賑やかなのか...(てかチャンピオンの顔、どこかで見た気が...まぁ気のせいか!)」
通行人「今モニターに映ってるのが!今から15年前、22という若さでチャンピオンになってから全戦全勝!無敗のチャンピオン!こいつを負かす奴は今回出てくるのか!?くぅ、燃えるじゃねえか!なぁ!?お前もそう思うだろ!?」
珠武「は、はぁ?まだ戦ってるところをちゃんと見てないからイマイチピンとこないな...」
通行人「そうかそうか!まぁこれから最初の試合が始まるみたいだし、ちょっと見ていけよ!」
珠武「まぁ、やることもないし見て行くか!」
実況「そして、対するは!今年でリアモンテイマー2年目!まだまだ新米だが、知識は一流!あの有名なリアー博士の一人息子にして次期リアモン研究会を引っ張る期待の新人!水無月蒼真!!!」
珠武「え!?なんであいつが!?」
通行人「なんだ、知らないのか?最初の試合はエキシビジョンマッチって言って、有名人とチャンピオンがバトルするのさ、チャンピオンとリアモンが本戦で最高のコンディションを引き出す為の準備運動だよ」
実況「...蒼真選手、出てきませんね〜(間)あーっと!今入った情報によりますと、蒼真選手は諸事情により研究所を離れることができなくなったようです!」
通行人「マジかよ!楽しみにしてたのにヨォ〜」
珠武「諸事情ってなんだ?知ってるか?」
通行人「知らねえよ!どうせ新種のリアモンでも見つけて研究してんだろ?」
珠武「なるほどな...(この街の人たちはハジマタウンの研究所であった事を知らないのか...)」
実況「えー、皆様に残念なお知らせがございます。ハジマタウンにて、大規模な事件が発生した為、本大会は中止になりました。」
通行人「マジかよ!事件って大丈夫なのか!?」
珠武「...」
通行人「そういえばお前さん、ハジマタウンから来たんだよな!?何があったか知ってるんじゃないか?」
珠武「あー、俺はちょうど事件の前に旅に出てたからわからないなぁ...」
通行人「そうか...」
珠武「かーちゃん、大丈夫かな...」
通行人「お前さんの家族も無事だといいな」
珠武「そうだな...」
通行人「(ため息)中止か、楽しみにしてたのになぁ~・・・やること無くなったし家に帰るか、お前さんも変な事件に巻き込まれないよう気をつけるんだぞ!」
珠武「はい、ありがとうございます!」
間
珠武「...結局やることなくなっちまったな、そういえば、この街は博物館があるんだっけか?ちょっと覗いてみるか」
場面転換
下っ端A「この博物館でいいのカァ?」
下っ端B「そうよ!なんでも伝説のリアモンテイマーが連れていたリアモンの化石があるらしいわ」
下っ端A「キヒヒ、そいツァいいね〜!それを持って帰れば晴れて俺らも幹部昇進カァ?」
下っ端B「あぁ〜早くアーシも強いリアモン支給されないかなぁ」
下っ端A「この任務を完遂すれば貰えるって、がんばろ〜ゼェ!」
下っ端B「アンタはなんでソーモお気楽なんだか、男って単純ね」
下っ端A「女が複雑すぎんだヨォ、そんな事よりそろそろ侵入するから周囲警戒しとけヨォ?」
間(場面転換)
珠武「ここが博物館かぁ、でっけぇ〜」
冬華「貴方、ここにくるのは初めて?」
珠武「あ、あぁ初めてだけど...」
冬華「そう」
珠武「え?」
冬華「いえ、別に」
珠武「あぁ、あのさ!」
冬華「はい?」
珠武「俺まだここ来たばかりで右も左もわからないんだけどさ」
冬華「だから?」
珠武「案内とか、してもらえると助かるんだけど...」
冬華「なるほどね、それってさ?ナンパ?」
珠武「いや違うけど?」
冬華「違うの、まぁどうでもいいけど」
珠武「ダメか?」
冬華「やる事無くなって暇だったしいいわよ」
珠武「よかった、ありがとう!」
冬華「で、貴方はどこに行きたいの?」
珠武「んー、とりあえず博物館の中を...」
冬華「わかったわ、ついてきて」
珠武「おう!」
間
珠武「うお〜、色んなものがあるんだなぁ!」
冬華「そしてこれが、完璧に最も近づいたと言われている伝説のリアモンの化石よ」
珠武「へぇ、すげえなぁ!」
冬華「この世界には『炎』『水』『氷』の基本的な3つの属性があるのは知っているわよね?」
珠武「あぁ!もちろんだ!!!」
冬華「まぁ、知ってて当然よね」
珠武「おう!」
冬華「じゃあ、『近接』『遠隔』『守り』の三すくみは?」
珠武「え、それって三すくみだったのか?」
冬華「(ため息)これも基本なんだけど?まぁいいわ、リアモンバトルで使われる技にはさっきも言った通り『近接』『遠隔』『守り』の3つの種類があり三すくみになっているわ、『近接』は『遠隔』に弱く『守り』に強い、『遠隔』は『守り』に弱く『近接』に強い、そして『守り』は『近接』に弱く『遠隔』に強い、と言う感じにね。」
珠武「ふぇ〜そうなのかぁ〜」
冬華「その『近接』『遠隔』『守り』の全てを今まで確認されたリアモンの中で一番極めた存在、故に『完璧に最も近づいた』と称されているの」
珠武「なるほどな!要するに、最強ってことか?」
冬華「最強か?と思うかもしれないけど、実際はそうでもないわ、どれだけ頑張ってもリアモン本来の能力は変えられない、あくまでその種別の中で一番極めた存在ってとこね、でもこのリアモンは今この世界の各地にいる伝説のリアモンと同等の力を持っていたと最近の研究でわかったらしいわ」
珠武「じゃあやっぱし最強じゃん!てか、こうして語り継がれてるってことは、こいつも伝説のリアモンなんじゃないのか?」
冬華「この種のリアモンは普通に野生で会えるのよ、最強だと語り継がれているだけあって、元のスペックは高いのだけれど・・・」
珠武「だけれど・・・?」
冬華「『完璧に最も近づいた』と称されているだけあって、最初から期待値高めで捕獲され、思ったより弱いからって捨てられる個体が後を絶たないのよ・・・」
珠武「なんだそれ・・・ひっでぇ話だな・・・」
冬華「まぁ、強いことには間違いないから捕まえておいて損はないわね」
珠武「すっげぇな!俺もそれくらい強くなりてぇ!」
冬華「まぁまずは3種類の技を一つづつ覚える所からじゃないかしら」
珠武「『近接』はヒートプレス『遠隔』はヒノヤイバ『守り』はファイヤウォール...うん、3種類覚えてるぞ!」
冬華「え?今なんて?」
珠武「いやだから、3種類全部覚えてるぞ!って」
冬華「貴方、冒険歴は?」
珠武「え?冒険歴?えーっと、今日で1日目だけど?」
冬華「実践経験は?」
珠武「1回かな?2匹と戦って1勝1敗だ!」
冬華「へぇ、貴方って実はすごい人の子供だったり」
珠武「いや、特に...物心ついた時には父親はいなかったから、カーチャンしか知らないけど、カーチャンも父親の事は特に何も言ってなかったし普通の人だったんだろ」
冬華「ふぅん、いいお母さんね」
珠武「あぁ、自慢のカーチャンさ!」
冬華「そう・・・いいわね、そういうの...」
珠武「あ、なんかまずい事言ったか?俺」
冬華「いいえ、なんでもないわ気にしないで」
珠武「おう!にしてもすげぇなぁ、『完璧に最も近づいた』なんて!カッコよすぎだぜ!」
下っ端A「オイオイ聞いたカァ?『完璧に最も近づいた』だってヨォ〜!」
下っ端B「エェ、間違いなく聞いたわ、これで決まりね!」
下っ端A「じゃあヨォ!目的のブツも見つかった事だしヨォ!ド派手にやってオサラバしよ〜ゼェ!」
SE:爆発音
珠武「なんだ今のは!?」
下っ端A「なんだ今のは!?だってヨォ!キヘヘヘ」
下っ端B「答える義理はないからサーア?」
下っ端A「オタカラもらってずらかるゼェ!あばヨォ!」
珠武「その服の色、見覚えあるぞ!パニック団だな!」
下っ端A「へへへ、よくわかったナァ!でももう遅いゼェ!」
珠武「あ!待て!」
下っ端B「坊や、アーシが相手してあげる」
珠武「うるせぇ、どけ!」
下っ端B「んもう、乱暴なんだから・・・男っていっつもそう・・・」
冬華「女の相手は私がする、貴方は逃げた奴を追いなさい」
珠武「おう、任せたぞ!」
下っ端B「あら?アナタがアーシの相手してくれるの?んふふ、オイシソ〜(ジュル」
冬華「行くわよ、レーキス」
下っ端B「あらかわいいリアモン、こっちも行くわよ!シャクネイツ」
冬華「シャクネイツは炎、レーキスは氷...こちらの方が不利だけど技の三すくみを使えば、不利な相手も倒せるわ!まずは遠距離から牽制して相手の出方を見る!レーキス、キューソクレートー!」
下っ端B「おっと、アナタ属性の相性をご存知ないのかしら?シャクネイツ溶かし尽くしてあげなさい!シャクネツ!」
冬華「まずい!レーキス、レーキバリヤー!」
下っ端B「そんな技、叩き割ってやりなさい!シャクネイツ、セキネツクロー!」
冬華「レーキスくるわよ!コオリノヤイバ!」
下っ端B「っち、なかなかしぶといわね、でもね?アナタ知ってるかしら?自分が有利な属性の時だけ使える特別な技を...ンフフ」
冬華「知っているわ、どんなに強いリアモンでも属性相性だけは覆せない。何故なら属性相性を技の三すくみで覆せない技が存在するから、その技を使われると相性で不利なリアモンはどれだけ強力な技を使おうが無力...って、何故今その話を...!?まさか、貴方のリアモンはそれを使えるっていうの!?」
下っ端B「さぁ?どうでしょうネェ...ンフフ」
冬華「M(もし使えるなら私のリアモンじゃ防げない...)」
下っ端B「まぁこれ以上焦らしても面白くないし、そろそろ終わりにしまショ〜!シャクネイツ、やっておしまい!」
シャクネイツは口を大きく開ける、すると体中が燃え上がり、口元には火球が形成される。その火球はみるみるうちに大きくなっていく。その技の覆せない相性に絶望し、迫力に圧倒された冬華はすでに戦意喪失していた。
冬華「まさかとは思ったけど本当に使えるなんて...このままじゃ...でもあれがハッタリの可能性も...ないわね...あの熱量、私には対抗手段が・・・ごめんねレーキス...」
レーキス「冬華、まだ戦いは終わっていない」
冬華「レーキス?貴方まだ、諦めてないの?」
下っ端B「ホウラ、どんどん大きくなっていくワヨ!アハハハハ、アハアハ、アハハハハハハハ」
レーキス「大丈夫だ、私たちが力を合わせればきっと勝てる、だから動けなくなるまで何度だって立ち上がり、今放てる全力の技で対抗しよう。私はいつでも準備OKだ!」
冬華「ふふ、あなたに励まされちゃうなんて、テイマー失格ね・・・うん、そうよね、まだ諦めるには早いわ、やるわよレーキス!!!」
自分のリアモンに励まされた冬華は、衝撃を受けたのと共に、自分の中で何かが吹っ切れた。再び取り戻した戦意を奮い立たせ、相棒と共に最大の試練へと立ち向かうのであった。
(場面転換)
一方そのころ、珠武は逃げたパニック団を追いかけていた。
珠武「おい待て、今回はゼッテー逃さねえからな!」
下っ端A 「へへへ、頑張ってるじゃねえか!アァ?いいねいいネェ!その頑張りに免じて、少しだけ相手してやるヨォ!」
珠武「ゼッテー負けねえ!行くぜティラノン!」
下っ端A 「へヒヒィ、遊んでやれポイゾンビー!」
珠武「ポイゾンビー?なんだあの蜂みたいな毒針だらけのリアモンは!あんなリアモン百科事典にのってなかったぞ!?ええっと、こういう時は...そうか!その手があった!行くぜ!スカウターセット、スキャン開始!...データ無し!?」
下っ端A 「ギャハハハ!こいつはパニック団で作り出された改造リアモンだゼェ?データなんてあるわけないだろーがヨォ!」
珠武「なんだって!?改造だなんて、酷い事しやがって!ゆるせねぇ!改造リアモンでもリアモンはリアモンだ!しっかり技の相性有利をとっていけば負けることはないはずだ!いけ、ティラノン!ヒノヤイバ!」
下っ端A 「へっへっへ、なんかショボい火の粉が飛んできたゼェ?ポイゾンビー、ポイズンショット!」
珠武「なに!?ヒノヤイバが一方的にかき消された!?」
下っ端A 「ボーッとしてると当たっちまうゼェ?大丈夫カァ?ギャハハ」
珠武「えっと...あの技は『遠隔』の技だから、こっちが出せばいいのは...えっと、うーんなんだっけ...((間))あ、そうだ『守り』の技だ!ティラノン、ファイアウォール!!!」
下っ端A 「ヘェ、『守り』はなかなかいい技使うんだナァ!だが、そんな技使ってたら格好の的ダァ!ポイゾンビーの攻撃は止まらないゼェ!?ポイズンプロッドォ!!」
珠武「あれは『近接』の技だ!俺が使ってる『守り』の技に相性がいい技!このまま使い続けてると攻撃を受けちまう!ここは距離をとって、相性有利の技で対応だ!ティラノン、ヒノヤイバ!」
下っ端A 「オオット!効かないゼェ!?ポイゾンビーは素早い動きで『遠隔』攻撃を全て交わすことができる!やっちまえポイゾンビー!」
珠武「っく、それなら!ティラノン、カエンを地面に放って躱せ!」
下っ端A 「(ボソッと)ヘェ、だがそのコンボ技、もう報告受けてんだよナァ、ヒヒヒ!ま、お手並み拝見と行くかネェ」
珠武「よし!そのまま行くぜティラノン!爆熱!熱血!大爆発!決めろ大技!ヒートプレス!」
下っ端A 「おっとっと、いけネェいけネェ!手痛いのを受けちまったゼェ」
珠武「よっしゃー!決まったぜ!」
下っ端A 「ポイゾンビー!早く起きろヨォ!次の攻撃がくるゼェ!?」
珠武「よしもう一度だ!これで決めてやるぜ!ティラノン地面に力一杯カエンを打て!」
下っ端A 「フン、何度も何度も同じ技を、鬱陶しいネェ」
珠武「トドメのヒートプレス!!!」
下っ端A 「ポイゾンビー、スパイクバリア」
珠武「ヒートプレスは『近接』の技!相性はこちらが有利だ!いけるぜティラノン!」
下っ端A 「サァテ、それはどうかナ」
SE:ティラノン、弾き飛ばされる
珠武「何!?ティラノン!?大丈夫かティラノン!!!なんでだ!相性はこちらが有利だったはず!何がいけなかったって言うんだよ!」
下っ端A 「アァアァうるさいねぇ、そんなことも分かんネェのか?バトルの常識をわかってネェナァ!これが!『レベルの差』だろうガァヨォ!いくら相性が良くてもこいつは埋められねえのサァ!ちょっとやられたフリしてみれば調子付きやがってヨォ!あメェんだよガキンチョ!」
珠武「っくっそおおお!またかよ!また!俺が未熟なばっかりに!ごめんな、ティラノン...」
下っ端A 「サァテット、もう動けねぇみたいだしトドメ刺しちまうカァ!」
チャンピオン「やれやれ、見てられんな」
ティラノンが『レベルの差』により、一方的にやられている絶体絶命の大ピンチ、珠武はそれを見ていることしかできなかった。そのバトルを背後で見ていた黒いコートを着た男はまるで死体蹴りの様なその光景を見かね割り込んできた。
下っ端A 「アァン?なんダァテメーは!ジャマァするんじゃネェヨォ!」
チャンピオン「君、少し下がっていなさい」
珠武「あぁ、すまねぇ」
チャンピオン「ゆけティラノレクス!」
珠武「うお、なんだあいつ!カッケェ...」
下っ端A 「ぬアァ!?そのリアモンは!?テメェまさか!」
チャンピオン「私が誰だかわかったのか?ちょうどいい、素直に盗んだものを置いて去るというのなら今回は見逃してやるが、どうする?」
下っ端A 「ダダダ、デュア〜レガこいつを置いて逃げるかヨォ!こいつをボスに献上してヨォ!オレらはヨォ!幹部昇進するんだヨォ!邪魔する奴ワァ!誰であろうが叩き潰してくれるワァ!いけェ、ポイゾンビー!」
チャンピオン「ふん、そうか、その選択を後悔するんじゃないぞ。ティラノレクス、
下っ端A 「くるゾォポイゾンビー、スパイクバリア!」
チャンピオン「遅いな、ヒートスマッシュ!」
下っ端A 「ダニィ!?ポイゾンビー!...っちぃ、失敗作にしちゃあよくできてる方だって渡されたのにヨォ、全然使えねえじゃあねえかヨォ、やむなしダァ、アレェ使うカァ、キヒヒ」
珠武「すげぇ、圧倒的だ...動きがまるで見えない...次元が違いすぎる...」
下っ端A 「おいおいオイオイ!調子ィ乗るんじゃネェゾォ!アァ!?ポイゾンビー!いくゼェ!シンクロ率強制補正、100パァセントォ!」
チャンピオン「くるか」
下っ端A 「レゾナンスハートシンクロォ!エボリューショオォン!!!」
間(ポイゾンビーが輝き出す)
珠武「うぉ、眩しっ!!!」
間(光が収まる)
下っ端A「ハァァ!フ、フフフ...」
珠武「なんだあれ...」
下っ端A「パーフェクトデュアレス!」
珠武「テイマーがリアモンと一つになっちまったぞ!?」
間(冬華、歩いてくる)
冬華「貴方、そんな事も知らないの?あれは『レゾナンスハートシンクロ』といって、本来固い絆で結ばれたテイマーとリアモンが心の同調で同化する最終形態よ!『レゾナンスハートシンクロ』を使うとテイマーとリアモンは一体化する、故に強い絆で結ばれている程、その力は爆発的に上昇するわ!」
珠武「そうなのか、すげぇ...って、あいつとリアモンに絆があるようには見えねぇんだが・・・?」
冬華「まぁ、そこは、何かあるんじゃないの?パニック団の事だし」
珠武「そっか、そうだよな・・・ってかお前いつからそこに!?」
冬華「あら、少し前からいたわよ?」
珠武「そうだっけ、ていうか!あの女はどうした?倒したのか!?」
冬華「...そんな事より、今はあの人の戦いを見て少しでも参考にしたほうがいいわよ」
珠武「そ、そうだな...(次元が違いすぎて参考にならなそうだけど...)」
リアモンと一体化したパニック団の下っ端は、その異様なオーラを纏っている。
下っ端A「サァテ!さっきやられた分、きっちりとやり返させてもらうゼェ!」
珠武「おいおい、なんかヤバそうだぞ!」
チャンピオン「『レゾナンスハートシンクロ』か、だが何をしようと埋まらんよ、この『レベルの差』は」
下っ端A 「うるセェだまレェ!やってみネェとわからねぇだろがヨォ!いくゼェ!ポイズンプロッドォ!!!」
チャンピオン「
下っ端は絶え間なく攻撃をしながら、器用にしゃべっている。
下っ端A 「こいつの毒針はヨォ!最強の毒が塗りこんであるんだヨナァ!掠っただけでも動けなくなる最強の毒がナァ!そいつが合計3本もあるんだよナァ!オラホラソラソラオラホラソラァ!」
チャンピオン「なんだその動きは、止まって見えるぞ」
下っ端A 「ウッうるセェ!キエエエエエ!」
チャンピオン「どこを見ている」
下っ端A「ンナ!?消えやがった!!!」
チャンピオン「
下っ端A「ウギヤアアアアア!ヨクモ...ヤリヤガッタ...ナァ........!!!とっておきでお返ししてヤルヨォ!喰らいやがれえええええええええええ!!!」
チャンピオン「ふん、これまでか...ティラノレクス、
下っ端A 「なんだァコレェ!オレノ技がかき消されて・・・!グヌゥ、こんなものォ!こんヌァ、モノォォオオオ!アギャアアアアア」
SE(爆発音)
チャンピオン「他愛もない」
フルパワーの火焔ブラスターを直撃で受け、もはや再起不能な下っ端は、床を舐めるように倒れこんでいた。そして、芋虫のようにもがき、何かを必死に訴えていた。
下っ端A「ヤダ、イヤダァ!キエタクネェ、ヤメロ!オレハァ、マダァ...ヤリタイコトガ...タク...(サ)...ンア..............」
チャンピオン「改造リアモン、やはり消滅するか...あくまで証拠になり得るものはチリさえ残さない」
珠武「終わった、のか...?」
冬華「物凄い威力だったわね...」
珠武「(ん?___あのペンダント、カーチャンが大事にしてたペンダントに似てる…そういえば、昔一回だけカーチャンにトーチャンの話聞いたっけ、お揃いのペンダントを大事にしてるって嬉しそうに話してたなぁ…っ!?お揃いのペンダント!?もしかして!)」
チャンピオン「これはこちらも本腰を入れねばならんな」
珠武「あ、ちょ!待ってくれ!聞きたいことが沢山__」
チャンピオン「すまんな、生憎私は多忙でね。話があるなら...チャンピオンチャレンジシップに出場しなさい。私はその頂で待っている」
珠武「え?て事はあんた!」
冬華「もしかしてと思ったけど、本当にチャンピオンなの!?」
チャンピオン「ティラノレクス、行くぞ」
珠武「あ、行っちまった...」
冬華「まさかチャンピオンの技を間近で見られるなんて...」
黒いコートを着た男は、少年を目を見てあることに気づいた。
そして、内心の嬉しさを押し殺すように真剣な眼差しで呟く
チャンピオン「(私は
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