第375話 焼肉パーティー
焼肉屋に黎人と翼が着いた後、しばらくして黎人が呼んだ面子があつまった。
火蓮と紫音の間に挟まれるように手を繋いで久々の外食にウキウキした様子のアンナが店員の挨拶に対して「こんばんは、いらっしゃいました!」と挨拶を返している。
中原家と椿家も集まって、翼の1人でダンジョン探索できたで賞お祝いパーティーが始まろうとしていた。
楓と幸地がまだ小さい子供を抱いて妻達に先に食事をしてもらうように提案するが、焼肉屋のスタッフが声をかけた。
「ベビーカーもあるみたいですし私達がゆりかご代わりにゆすっておきますのでどうぞ皆さんでお食べください。泣き出してしまったらその時はお願いするんですけど」
店のスタッフは《星空のレストラン》のメンバーの為、黎人達に対して必要以上に融通をきかせてくれる。
一応2人はベビーカーに一番近い場所に座って焼肉を楽しむ事にした。
注文の為にメニューを渡された翼は、黎人に「食べ放題だから好きなのを頼むといいぞ」と言われてメニューを開いて首を傾げた。
その様子を見て黎人の金銭感覚にやっと慣れてきた幸地が苦笑いして「そうですよね、それが普通ですよね」と呟いた。
「翼ちゃん騙されてはいけませんよ。ここはバカ高い高級店です! でも師匠にかかれば食べ放題に変わってしまうんです! だから気にせず好きな物を食べましょう。そして良いものはこうなんだと知る事で目利きができるようになります!」
「そんな事考えて食べた事ないわよ。翼ちゃん、師匠に奢ってもらう時は精一杯お言葉に甘えるのが吉です。美味しい物をお腹いっぱい食べましょう! 今は成長に必要なカロリーを蓄えないと! 魔法を覚えたらダイエットの魔法を教えてあげるわ!」
火蓮の言葉を紫音が否定すると、紫音は遠慮なしにとても1人では食べられそうにない量のお肉を注文していく。
アンナや他の皆んなも慣れた様子で注文しているので、翼も遠慮なく好きなお肉や聞いた事のないお肉を注文した。
「遅れました〜!」
「すいません、遅くなりました!」
「大丈夫ですよ。お仕事おつかれさま」
遅れてきたひまわりと氷那に火蓮が声をかけ、他の面子とも挨拶をする。
「私達の妹弟子はどこですか? かわいい! やっと下の弟子ができた気がしますよ〜」
「ちょっとひま!」
「すいませんねえ、おじさんで」
「あ、そんなつもりじゃないんですよぅ!」
ひまわりの慌てる姿に幸地を筆頭に笑いが巻き起こった。
翼はひまわりや氷那とは初対面になる。自己紹介をした後、焼肉を一緒に食べながら親睦を深め、お祝いの焼肉パーティーは楽しい時間となるのであった。
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あとがき
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