39話その頃の空港
『』は日本語以外の言語だと思ってください。
今回の場合は英語ですね。
__________________________________________
少し日にちは遡る。
空港に着いたイギリス人美女、レベッカ・ワトソンは空港の窓から空を見上げていた。
『やっとやって来れたわ。勝ち逃げなんて許さないわよ、ゼロ』
ライダースジャケットを肩に引っ掛けて立つ姿は様になっており、周りにいる人達は遠目に見る人達は居るもものの声をかけてくる人はいない。
『貴方、そんなこと言って、まだSランクでしょう?』
「ワオ!マリア、迎えに来てくれたのね!」
レベッカは掛けていたサングラスをクイッと下に下げて上目遣いに綺麗な碧眼を覗かせるとマリアに向かって手を広げた。
「来てくれたのね、じゃないわよ。突然連絡して来て。貴方、黎人に直接連絡すればいいのに」
「だって知らないもの。…まぁ、つれないのね」
マリアはその手を広げた体制からハグだと分かったが、軽くあしらって無視した。
「知らないって、貴方家族でしょう?」
「私は認めてないもの!姉より強い弟なんて要らないわ!だから、家族になるのはお預けよって言ったの!」
「はぁ。貴方のプライドの高さには恐れ入ったわ」
マリアはレベッカの言動に眉間に手を添えてため息を吐いた。
レベッカは「でしょ?」と胸を張るがマリアは「褒めてないわよ」と頭を軽く振る。
レベッカは訳がわからないとばかりに肩を上げるがマリアはもういいわとばかりに何も返さなかった。
「それじゃ、まずはギルドね!ギルドに黎人は居るんでしょ?」
「居ないわよ。今は愛知って言ってたかしら?弟子を育てるみたいよ」
そう笑いながら話すマリアにレベッカは驚いた声を上げた。
「あの子が弟子!それは楽しそうね。会ってみたいわ。いえ、会いに行けばいいのね!」
「でもまずはギルドね。貴方、イギリス支部の使者として来てるんだから」
「そうだったわ!ねじ込むのに苦労したのよ」
天真爛漫に笑うレベッカにマリアはまたため息を吐いた。
「あの!ベッキーさんですよね!サインいいですか?」
「いいわよ!あら、貴方達も?順番に並ぶのよ?」
サインをし出した事でファンに囲まれてしまったレベッカを見て長くなりそうだとマリアは近くの椅子に腰を下ろした。
レベッカ・ワトソン
ベッキーの愛称で有名なイギリスを拠点とする大人気アクション女優兼大人気モデルだ。
黎人との関係も気になるところだと思うが、黎人の母親とレベッカの父親が再婚している。
2人の出会いはマリアのブランド《twilight.M》のモデルをしているレベッカが日本のコレクションに参加する為に来日。そこについて来た父親が銀座で見かけた黎人の母親に一目惚れ。猛アタックの上結婚したのだが、2人の結婚が決まって顔合わせの日、黎人とレベッカが初めて顔を合わせた時にレベッカがライバル宣言したらしい。
レベッカは黎人が依頼でイギリスに行った時に黎人の事を知った様で、日本最強の冒険者だと知っていた。そして、何のプライドか姉より強い弟は要らないとレベッカが勝つまで勝負を突きつけたらしい。
冒険者にとって何を持って勝ちとするか分からないがレベッカの中では勝ちがあるらしい。
それまでスマホの番号さえ交換してないなんて…
マリアの口からまたため息が漏れる。
レベッカはまだファンに囲まれている。
今はサインを終えたのか写真を撮ってあげている
「レベッカ、そろそろ行くわよ」
「ん、分かった!それじゃ皆んなこれからも応援してね!」
レベッカは手を振ってファンサービスを終える。
「車を待たせてあるからそれでギルドへ行きましょう」
「OK!」
2人は待たせてあった車に乗り込むと世界ギルド日本支部へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます