わたし⑦
「…………あなたは……」
(今年会ったのは今日が初めてだから、この返事でいいはず……)
と、思ったんだけど。
「………………」
返事がない。まちがえた?
(……今年はここで
いつもの事だからそれは別にいい。ただ……
(また次の今年が始まったら、起きれるかなぁ……)
起きれてほしい、絶対。
(時間分かんなくなっちゃうし、それに殴られて起きたくない)
痛いし、動けなくなってもっと時間がかかるし、そしたらまた殴られるしで、
(面倒臭いし、ここに来れなくのは困るしなぁ……)
っ、っと何か聞こえた。
(?、笑った?)
みんなわたしを見てよく笑う。ただその笑顔はみんな汚くて、大嫌い。でも、
(?、汚くない?…………暗い?)
何で?
(不思議……)
目の前の人を見てみる。この時気をつけることは、目を合わさないようにすること。
『そんな目でこちらを見るな!!!!!』
(殴られたくないし、……!、ダメ)
動きそうになった手を止める。危ない危ない。
(殴られそうなことは少なくしないと)
痛いのは嫌だし、面倒臭い。
(いっぱい
(へんなの……まぁいっか。それより)
目の前の人をまた見る。
(?、見てる?)
何で?わたしに見る価値はないのに?
(へんなの)
「はっ」
(!)
笑った。やっぱり、汚くない。
(顔は見えないけど、汚くないのが分かる……不思議、……ダメ)
動きそうになった顔を止める。
(?、今日はよく動きそうになるなぁ)
最近はそんな事なかったのに。
(何でだろ?………………ダメだなぁ)
考えようとしてるのに考えなれない、殴られそうなことは少なくしないといけないのに。
とってもきれいな笑顔がじゃまをするから。
(……久しぶりに思い出したなぁ……)
もう何年前になるのかなぁ?
(あ、けど、繰り返してるからもっともーっと前?)
………………そっかぁ。
(……死んだら会えると思ったのになぁ)
まだ生きている。繰り返してる。
(…………どうやったら
分からない。
(もういっそいまここで……)
終わればいいのに…………
「なぁ、お前は今何回
殴られるそうなことは少なくしないといけない、でもできなかった。
目の前の人を見る。まっすぐ見る。
すごくすごくおどろいた。
考えなきゃいけないことは色々あるはずなのに、できなかった。
目の前の人を見る。まっすぐ見る。
「……ははっ」
笑われた。いつもならすぐに殴られる、だから守らないといけない、でもできなかった。
ただただ目の前の人を見る。まっすぐ見る。
体の真ん中からドキドキと音がしてすごくうるさかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます