俺
「…………あなたは……」
俺の質問に対して返ってきた言葉。
(まぁ、妥当だわな……初対面なら)
驚く素振りも無ければ、動揺も恐怖も見て取れない。
(つーか、返事も疑問系じゃねーし)
仮面越しに目の前の奴を見る。
(……なーんで気付かなかったんだか……)
ちょっと考えりゃすぐ分かる事だったてーのに。
は、と鼻で笑う。笑ってしまう。自分の馬鹿さ加減に。
(…………無反応なんだな……)
返事が無かろうが、鼻で笑おうが、目の前の奴は反応しない。
(しないというか……諦めてんのかね)
まぁ、それも仕方ない。
命を狙われる。そして殺される。何度も、何度も。
それを一体何回繰り返してきた?
(……俺なら絶対発狂する……)
というか、しかけてた。せずに済んだのは、
『ざんねん……』
前回の最後、一緒に貫かれたこいつが言ったこの言葉。
どこか
(……実際こいつが一番早く動たしな)
そのかいなく二人纏めて串刺しだったが、
(……貫いたのがアイツなら仕方ねーけど…………)
アイツは俺の自称右腕、でも確かに一番信頼のおける部下の一人だった。
(…………誰を信じりゃいいんだか…………)
は、とまた鼻で笑う。前回も前々回もその前も、
俺を殺したのは信頼していた奴らだった。
(…………こいつは
分かりはしない。初対面ではないが、全く知らない奴だから。
(……でもまぁ……)
こいつになら殺されても文句は言えない。言える訳がない。
だから、
(……本当に自分勝手だよな……)
「はっ」
思わず出た声。それでも目の前の奴はやっぱ無反応で。
(……どーなる事やら)
分からない。が、不安はあまり無い。むしろ……
わくわくしてる?
(状況が確実に動くからか?)
分からない。けど、
(……悪くはねぇな)
さて、今回の
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