第22話 1年後の二人は社内公認?♡
1年後の二人。
「係長、、この書類の決裁をお願いします。」
「あ、了解。さすがチームリーダー。仕事が早いね。」
二人は相変わらず、同じ会社、同じ部署、そして同じ家でずっと一緒だ。
「わぁ、、係長と友梨先輩って、二人でいるとすっごい華がありますね。。なんていうか、、美しい。。」
「ああ、貴方は新入社員だから知らないだろうけど、あの二人はうちの会社イチの美人としてセットで有名だからね。」
新入社員の女子が思わず見とれるほどの憧れの上司になっていた。
楓花は背が高くスタイルは良いが、美を磨くことには無頓着であった。しかし、友梨と付き合ったことによって、毎朝髪をゆるふわにされたり化粧で雰囲気を変える術を教え込まれていた。
「あうう。すっごい憧れます、、特に係長のあの色気、、。」
「僕、、友梨さんが実は気になってて、、か、彼氏とか、いますかね・・・?」
「ああ、、うーん。どうだろうね。。」
この新入社員達と話しているのは、楓花の後輩である桃子である。
桃子は気づいていた。楓花と友梨の関係を・・・。なぜなら、二人は同じデザインの指輪をしている。そして度々、、
「あ、楓ちゃっ・・・か、係長っ!会議の資料が出来ました。」
「う、うん。えっと、じゃあ、会議室で打ち合わせしようか。。」
「はい♡」
こんなやりとりを毎日しているのを近くで何度も見ていた。そして、このピンク色のやりとりを見ていたのは桃子だけではなかった。
(知らないフリするのももう限界なのよね。。いっそ社内公認にしてくれないかな。。)
桃子は百合で育った百合好きだった。そもそも、百合で育った百合好きは、人口の6割を超えたと今朝のニュース番組の人気占いコーナーで話題になるほどである。ホントかどうかは知らんけど。なので今更隠すものでもないと桃子は思った。
(と、とりあえず、、気づいてるやつらと画策して、、あいつらの関係をはっきりさせよう。。そして、わいの妄想がさらに捗るようにするでござる。)
桃子は百合だけでなく、オタク道を極めていたガチ勢だった。
「ねぇ、楓花先輩?今日、みんなで飲みに行きません?」
「ん、桃ちゃん。そんな気分?まぁいいよ?」
「じゃ、私、何人か声かけておきます~♪」
(やったでござる。これでわいの計画はすでに8割完遂でござるよ!)
仕事が終わり、会社近くの居酒屋には、楓花と友梨、そして二人の関係に気づいている5,6人が桃子によって集められていた。憧れの二人と飲みたがっていた新入社員は断固として参加を許されなかった。桃子は会社のパワハラ指導に引っかからないかだけが気がかりだったが、百合に挟まれることだけに目的を定めた。
「では、今日もお仕事お疲れ様でした!」
「かんぱーい!」
和気あいあいとしたムードで飲み会は始まる。
(やはり。。あの二人は自然に隣に座ったでござる。。捗ります♡)
桃子は同人誌を描いていた。社内恋愛百合シリーズが得意だ。二人をモデルにした作品はすでにシリーズ化し、壁サークルとして人気な作家だった。ペンネームは「ピーチ@顔バレごめんなすって」だ。会社にばれることだけは避けたい。
(このまま、、うっかり口を滑らせがちな友梨ちゃんを、、酔わせて口を割らせる!我が勢は無傷で勝利をおさめるでござる!!良し、お主たち!いけっ!酒を注げ!)
「さぁさぁ、友梨ちゃん。飲んで飲んで!」
「え、まだ週末じゃないしって、、えええぇ?表面張力っ!?」
「さぁ。友梨ちゃん。うぇいうぇーい♪」
「え、あ、え?」
「あ、ちょっとみんな、、友梨ちゃんってそんなにお酒強くな、、」
「あああっ!係長も飲んで飲んで~!」
1時間後。
「でへへへ。楓ちゃあん♡ちゅき。」
「あ、ああっ・・・友梨、、ちょっと今は、、」
「なぁに?楓ちゃん、友梨のちゅー嫌なの?」
「あ、あああっっ!!!ダメ、それ以上はっ!!」
「にゃによぅ、、いつもはもっとしてって言うのにぃ!♡」
(やったでござる!わいの勝利キターーーーー٩(´꒳`)۶٩(´꒳`)۶٩(´꒳`)۶!!!)
かくして、かくせなくなった二人は、一部の社員に公認となった。
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