第17話 二ヶ月後の二人は

 付き合い始めて二ヶ月後。


 月曜の朝は大抵、どちらかの家で二人、朝を迎える。

 今日は友梨が楓花の家にお泊まりしていた。もちろん前の日の夜は楽しかった。とても楽しかった。すごく・・・なんか楽しかった。その名残は二人が裸で寝ていることでわかる。


 朝6時半。目覚ましが鳴り、止めたのは友梨だった。


「んっ、、はぁ、、朝か。ねっむ。。」


 まだ眠いなぁと、目覚ましがスヌーズになっているのを良いことに、友梨は楓花と一緒にかけている毛布を少し引っ張ると、楓花の素肌に密着した。


「あったかぁい♡ちょー気持ちいい。」


 すると、毛布を引っ張られた寒さと、友梨の人肌の温かさに気づいた楓花は、ほんのり目が覚めた。


「・・・さ、さむい。。」


 そう言って、抱きつく友梨に抱きつき返して暖をとる。


「ん。楓ちゃん、そろそろ起きないとだよ?」

「ん~。。やだー」

「やだじゃないでしょ?」

「やだぁー。友梨ともっと寝るぅ。。」

「んふふ。いいよ?お休みしますって電話しちゃう?♡」

「さむいー、抱っこ~!」

「楓ちゃん、3歳になっちゃった♡」

「友梨ぃ~。。んーんー」ぐりぐり、スリスリ♡

「ふふっ、くすぐったい・・・。あ、ちょっと待って?そんなにしたらまた・・・♡あ、ちょっとっ!ね、あ、ダメ!♡」


 寝ぼけた楓花によって、足の絡み具合とか伸びてくる手がいよいよ友梨を本気にさせようとしたとき、あまりにも友梨の声がエロいので楓花は半分覚醒しかけていた。


「ふ、楓ちゃぁん・・・!」


 この時、楓花はほぼ目が覚めた。そして、自分の今のテンションが会社に着くまでにクールダウンするかどうかが心配になった。会社でうっかり3歳の自分を出すわけにはいかない。


(転職しようかな。もしくは起業。。)


 友梨を触り続けながら、寝起きの思考はなんとなく遠いところを観ていた。触るのは反射的にやめられなかったけれども。


(広いところに引っ越して、会社兼自宅っていうのもいいか。)

(それにしてもエロい声、たまらん。。今何時なんだっけ?最後までできるのか?)


「ね、ねぇ、なにか考えながらしてる・・・?」


「え?あ。広いところに引っ越そうかなとかちょっと。」


「え!?そ、それって・・・」


「うん。(起業もいいかなって)今より広いところなら、、」


「一緒に住むのに?!♡」


「うん、一緒に、、ん?え?!」


「私も一緒に住みたいって思ってた!♡」


(え、どこからそんな話に?私寝てたのか?)と楓花はびびった。


「ね、ね、いつから一緒に住む?不動産屋観に行く?♡♡」


 すんごーい乗り気の友梨に、楓花は違うことを考えていたとは言えなかった。


「わ、私は、、今日からでもずっと一緒に居たいな?みたいな?」


「あーん!うれしい~!♡ずっとそうなればいいと思ってた!!好きっ!」


(こ、こういう流れってきっと、、進むべきところに強制進行してるんだろうな・・・。)

「私もちょーうれしいっ!♡♡♡」


「仕事休んでこのままする?♡」

「だめっ!お金かかるから行く♡」



 俄然、幸せだった。 


 

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