第16話 一ヶ月後の二人は

 一ヶ月後。


 ポンコツ化していた楓花は会社では通常運転を取り戻していた。


「友梨ちゃん、A社の資料持って会議室に来てくれる?」

「はいっ!わかりました!」


 もう友梨と二人で話すことがあっても大丈夫。しっかりプライベートで愛を育んでいるため、ちょっとやそっとでは動揺しなく・・・


 会議室にて。

楓花「・・・じゃ、そういうことで、友梨に頼むわね。何かあれば私が先方に言うから。」

友梨「はい、わかりました。よろしくお願いします。」

楓花「これで今日の申し伝えは全部かな。うん、よし。戻っていいわよ?」

友梨「はい!あ、楓花さん・・・。ちょっとだけ、ダメですか?」(上目遣い)

楓花「ダメって、、なにが?」

友梨「誰もいないし・・・ちょっとだけ・・・いいでしょ?」

楓花「仕方ないなぁ。。5分だけだよ?ほら、おいで?」

友梨「わーい♡楓花さぁんっ!」


 動揺はしなくなったが、めっきり甘めのツンデレになっていた。。


楓花「あーあ。リップ落ちちゃったじゃない。バレちゃうよ?」

友梨「あーん、ごめんなさい~。でも、満たされたので残りも頑張れるよ!♡」

楓花「なら、まぁいいけど。私だってしたくないわけじゃないしね?」

友梨「くっ、やっぱり好き♡今日、家行ってもいい?」

楓花「いいよ。じゃあ、早く仕事戻って終わらせないとね?」

友梨「はぁい♡ スキスキ!」


 友梨は理想としていた楓花との社内恋愛を手に入れていた。


(ああ。なんて素敵なの・・・。この感じ。)

(かっこいい先輩。二人きりの密室。ちょっと冷たい先輩。)

(なのにしっかり求められているこの感じ。。たまらないっ!♡)


 では、友梨と二人きりではどうかというと、、


友梨「お疲れ様です、先輩♡一緒に帰れますか?」

楓花「うん、いいわよ。じゃ、行こうか。」


友梨「ね、もう腕組んでもいい?」

楓花「うーん、もうちょっと会社から離れたらね?我慢して?」

友梨「うん。わかった。」


 やっぱり友梨の理想とした恋人像になっていた。


(嗚呼っ!なんだろう、、もう全てが素敵に見える。今すぐ抱きしめられたい!)


 なんていうか、友梨は肉食でぐいぐい行くが、基本Mだった。


 では、家に帰って二人きりだとどうだろう?


友梨「はぁ~。やっとお家着いたね♡早くキスして~!」


 さぁ。驚愕の事実が今。


楓花「ん~!!かわいいでちゅね!なんで友梨はこんなにかわいいの!?」

「会議室でちゅーなんかするから、今日ずっと友梨のことばっかり見ちゃったよ!♡」(なでなで、ぐりぐり、すりすり、ちゅっっちゅっっ♡)

「ああっ!かわいいっ!かわいいよ!すきぃっ!!」



 友梨はこのギャップに一種のへきを見いだし、大いに喜んでいた。


友梨「楓ちゃん、ずっと私のことみてたの?ダメじゃん♡」

楓花「だってぇ、かわいいんだもん。」

友梨「じゃ、今たくさん見て?♡」

楓花「うん。ああ、かわいいね、かわいいね!」

友梨「見るだけでいいの?♡」

楓花「ぎゃわいいっ!!」(よくないぃ!)



 友梨はこのギャップに一種のへきを見いだし、大いに喜んでいた。(大事なことなので二度目)



友梨「今日は、楓ちゃんが先に下ね♡」

楓花「え、この流れでっ!!??」(喜び)



 友梨はこのギャップに一種のへきを見いだし、大いに翻弄され、翻弄していた。

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