第7話 言えない!言っちゃった!

(信じられない・・・。あんな・・・あんなことが・・・!)


 うつ伏せで息を乱したままパニクっていたのは楓花だった。

 楓花はかわいいかわいい後輩に抱かれてしまった。勢いで自分から提案したものの、あとになってこみ上げてきた恥ずかしさに起き上がることができずにいた。


(す、すすすすごい、あんなに気持ちが良いなんて・・・)


 楓花は女性経験がなかった。学生時代に付き合ってみた男性と経験はあったが、楓花はそれしか経験がなかったので自分はそんなに性欲がある方だと思っていなかった。そして、


(漫画と全然違うのね・・・。)


 そりゃ、漫画は誇張されていたりして現実とは違う。


(どうしよう、、私、完全に女を出してしまった気がする・・・。これから会社でどうやってこの子と接すれば良いのかわからなすぎる。。はずか○ねる。。)



 その時の友梨はこう考えていた。


(どうしよう、、終わったというか、雰囲気で終わりっぽいけど、当然先輩が私を抱く順番にはならなそうだ。。まぁそれは良しとして、、)


(先輩、、イクのすごい早かったんだけど、あれって早く終わらせたくて演技だよね??)


 楓花は普通の人が一回果てる平均時間の間に、未知の大衝撃に3回大歓喜した。ところがパニック過ぎて自分の痙攣に驚くばかりで友梨に伝えることすらできなかったのだ。残念なことに、友梨はいわゆる「イったふりをされた」のではと不安になっていた。。



「せ、せんぱい?お水とかいりますか?」


 うつぶせのまま、やっと息が整ってきた楓花に、恐る恐る話しかけてみる。


「・・・あ、そうね、おねがい。。」


 あ、良かった。返事してくれた。少し安堵すると、裸のまま慣れないキッチンでグラスに水を入れ、ベッドの上の楓花に起きて飲むように促す。


「あ、ありがと。」


 ゆっくり、気まずそうに起き上がる楓花。グラスを受け取り、黙って水を飲む。


「先輩?あの、女性とするのって初めて、でしたよね?その、嫌じゃなかったですか?」


 気持ちよくなかったと言われたら立ち直れない、、と思いながらも、友梨は楓花を思いやって聞いてみた。


「い、嫌じゃないわよ。同意の上だもの。。」


「そ、そうですか、、私、なんか自信なくて、、。」


(え!ど、どうしよう、友梨が悲しそうな顔してる!だ、ダメだ!なにか、褒めないと!!えーとえーと・・・)


「貴方って、、か、かわいいのね。。」


  楓花は絞り出して友梨を褒めるつもりでそう言ったのだが、友梨にはもう不安と疑心しかなかったのでうまく伝わることはなかった。    


(え、やっぱり技術が足りないってこと?満足してないってこと?)


「ご、ごめんなさい。私、すぐに帰りますね。。」


「え!?なんでそうなるの?」


「だ、だって、気持ちよくなかったんじゃ、、」


「そんなこと言ってないわよ!」


「じゃあ、私とシて、どうでしたか?」


「うぐっ!」


(言わなきゃいけないのね?何て言えばいいの?未知の衝撃でした。歓喜に今だ全身が震えて言うことを聞きませんと?今からもう一度したいですと?言えないわ。言えなすぎる。でもここでなにか言わないとダメなのはわかる。。考えるのよ、私!)


「すごく、、良かったです。。」


「え?」

「ほ、ほんとう?」


「ハイ。」

(言っちゃった!)


「先輩、、3回イってました?」


「え!」


「あ、なんでもないです、ごめんなさい。」


(3回、イったんだ。///)


(イっちゃった。)



 絶望的に不安だった友梨は半分自信を取り戻した。

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