そこから駿と俺がどうなったかというと、別になんてことはない。


 俺たちはそれぞれ違うグループに入って、4年に上がってクラスも離れてしまって、それっきりだ。

 俺は教室の中でも物静かでゲームが主食みたいなやつらと仲良くなった。これがまた居心地がよくってね。ああ、俺の場所って本当はここだったんだと思ったり。今までは駿とその仲間たちと遊ぶことの方が多かったけど、そん時の俺って、やっぱちょっと自分じゃない感じだったのかも。


 駿の方もクラスの明るい集団に戻っていって、そこで楽しそうにしていた。美玲ちゃんとは5年の時に別れたらしいが、それも風の噂で聞いたことだった。




 ―――こうして俺は小学生ながら自分の立ち位置を知った。


 目立たず、ひっそり、ゲーム好きの仲間と語り合う。それが俺の定位置。

 しかしこの一件を機に、俺は女子という生き物がどうも苦手になってしまった。

 あの二面性、冷酷さ、クスクスと俺を笑う三日月型の目。


 だから今の高校(共学)を選んでしまったことをちょっぴり後悔したのだけれど、でもやっぱり女子と付き合うことへの憧れは捨てられなかった。


できるなら、裏表のない子がいい。そして声が高くない子。あと女子っぽく群れなくても生きていけそうな子。




―――そんな妄想ばかりを繰り返していたら、あっという間に高校2年生になっていた。








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