第2話 情報収集

 探索者シーカーライセンスも無事に取得できた。

後はダンジョンに入る準備だ。もちろん、情報収集も欠かせない。

そう、わからないことは知っている人に教えてもらえば良い。

ということで――


「こんばんわ~ん、ぬいぐるみ系VTuber、猫乃わん太わん」


◯[こんばんわ~ん]

❤〚わんわーん〛

△[今日はなにする]


「きょうはですねー、ふふ、なんと、探索者シーカーになりました!」

取得したての探索者シーカーライセンスをみんなに見せる。


∀[おお、ようこそ、探索者シーカーの世界へ]

◇〚えっと、シーカーってなに、聞いたことないんだけど〛

◆[探索者シーカーはダンジョンに潜って魔物モンスターを間引いたり、お宝を探す職業だな]

△[毎年、中高生のなりたい職業のトップ3にランクインしてるんだが知らない?]


探索者シーカーに詳しい人が多そうだ。

「そんなわけで、シーカーに詳しい人から初ダンジョンに際してのアドバイスが欲しいです」

先輩からの情報収集は大事。


∀[よっしゃ、まかせろ、何でも聞いていいぞ]

△[初ダンジョンは草。前回のはなかったことになってる]

◎〚え、ここはダンジョンが存在する体でコメントした方が良いの?〛

◆[初見さん? ってかダンジョン知らないヤツ多すぎだけど、学校でも習うよね]


「あ、本屋にも『DTuberになれる本』とか、『儲かる探索者シーカーの稼ぎ方』とかの本があったから買うか悩んだんだよね」

ギルド近くの本屋にはダンジョン関連の本がそれこそ山と積まれていた。


◆[最初はギルド内で売ってる『ダンジョンガイド』や『魔物一覧・初級編』とかを見れば良いよ]

◇〚ダンジョン関連、見たことないけど、そんなに本あるの……〛

◯[テレビでもしょっちゅう特番組まれてるよ]

❤〚うそ、見たことない。もしかして、流行りに乗れてない?〛


「コンビニもダンジョン関連置いてあるところと置いてないとこあるよね。

家の近くは全く置いてないけど、ギルド近くなんか武器まで置いてあったわん」


∀[武器とかは初期ファーストスキルが攻撃系ならスキルに合わせて揃えたほうが良いな。

例えば、『剣術』スキルとかがあれば剣での攻撃に結構補正が入って強くなる]

◯[コンビニのはほとんど使い捨てに近い武器だね]

△[攻撃系スキルの補正が強い分、それ以外のスキルだと探索者シーカーに向いていない扱いにされるのは問題だよね]

∀[とはいえ、初期ファーストスキルが攻撃系以外だとなかなか厳しいのも事実だし]

◇〚わん太のスキルは?〛


「スキルやステータスは他人に教えちゃ駄目らしいけど、ボクの初期ファーストスキルは攻撃系じゃなくて生産系だわん」


◯[生産系は種類によってはかなり儲かる]

∀[初期はポーション成金とかあったらしい。今でも上位スキル持ちは引っ張りだこ]

❤〚ダンジョンってモンスターとか出るんだよね、わん太きゅん大丈夫?〛


そうだった、魔物モンスターのことも聞いておきたい。

「初心者ダンジョンに行くつもりだけど、どんな魔物モンスターでるの?」


◆[初心者ダンジョンの1層はスライムだけ。むしろ、1層にスライムだけしかでないダンジョンを初心者ダンジョンとしてある]

△[スライムはバスケやバレーのボールぐらいの丸いポヨポヨだから、普通は大丈夫だけど、わん太だと……]

◎〚わん太でも普通に中の人なら大丈夫なレベル?〛


「たしかにそのサイズだとボクより大きいくらいだね……

てか、ボクより小さい魔物モンスター自体いないのでは?」

中の人などいないので、このちっちゃな身体で頑張る必要がある。

あれれ、もしかしなくてもダンジョンは危険が危ない気がしてきた。


◯[それもだけど、わん太が討伐されないか心配]

△[確かに、魔物モンスターと間違われて攻撃されそう]

∀[獣人系の人達も時々危ないって聞くけど、わん太だとサイズ的に新種と思われかねん]


「やっぱり、そんな感じ? 協会員のおねーさんにも心配されて、従魔用の赤いバンダナをもらいました。

首に巻いとけば誰かの獣魔と思われてすぐに攻撃されることはないだろう、って」

もらったバンダナを巻いて見せる。


❤〚きゃわわ〛

◆[なかなか様になってる]


「でしょでしょ、こんな感じで明日はダンジョンに挑戦したいと思います。

それでは、明日に向けてそろそろ寝るわん。

みんな、色々教えてくれてありがとー、明日の配信も見てねー」


◯[絶対見るよー、おやすみー]

❤〚おやすみわーん〛

△[むりするんじゃないぞ]

◆[おやすみー]


―― 本日の配信は終了しました……


 よし、みんなにダンジョン情報も色々聞けた。

しかし、やっぱりボクにとっては初心者ダンジョンも中々難敵そうだ。

しっかり準備を整えて明日に挑むとしよう。











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