第4話

 テレビも、ブルーレイデッキも、自分が買ったのに。それだけは持たせてもらえなかった!もう一台家にあるものを!

 勝手に住む事を決められ、家賃が勿体ないから早く行って。というか帰って。という。

 おかしい。とてもおかしい事だ。

 これからここで何時間!母が予め用意しておいてくれたラップで米を六個くらいおにぎりだか四角形にして冷凍庫へしまいやすくなるよう入れながら。

 世の新生活とは、もっとワクワクして男なら必要ないが食器棚のシートとか、ガスコンロの下のシート、または正面の物を選んだり配置したり。

 いろいろ「たのしめ」と言ってもらえるものじゃないか。

 夜。もう我慢できない。彼女にS O Sを送信。

 薬は一日二錠までなのだから。

 ところで、薬は、どうして金へんなのだろうか。

 定める、という言葉がついているのはさすがだ。

 もう、なんだか。鏡の世界にずらりと自分が並んでおかしくなりそうで座り込んでいるような。

 実際は手足を緊張で冷たくして、明日の出勤時間を考えている。

 果たして、夜十時。彼女、セフレから返事が来る。彼女の名前は瀬島藤麗華(せじまふれか)。

 彼女とは読んでいるが少年の恋人では無い。

 可哀想、では無いが、本人もツッコマないあだ名なのだ。藤が麗しく華をたらす、そんな藤棚の壮麗さを彼女の両親は表したかったのだろうが。なんとなく仲間内でついたあだ名が、そう、せふれ。

 みんな意味を知らなかった。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る