第3話
充実した部屋だ。初めて米を炊いてみた。一気に3号炊いてしまい、焦った少年はネットで検索するよりも友達に連絡を取り、食べに来てくれないか?と一生懸命に説明した。説明された友達は、それくらい食えるけどタッパーかラップに包んで冷凍しとけ、あと、おまえ、たぶんとにかく炊飯するために新品とはいえ家電の釜洗わないで炊いただろ。その様子だと。
的中。
やはり友達に今すぐきて欲しかったが、彼は今、むしろ反対のど田舎へ出稼ぎのように派遣に行ってしまった。突然の離ればなれ。
両親だってそうだ。どうして、不安症の自分を。
なんの不自由のないまあまあ新しい物件の日当たりの良い、まるで女の子が住むようなところへ旅に出すのか。
とりわけ夜が不安定だ。
いまごろ、両親は自分がいない家でどうして過ごしているのだろう?
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