第9話
コンコン
令菜は唯の部屋の前に立ち、ドアを軽くノックした。
しばらく待っていると、デニムにTシャツ姿の唯がドアを開けて現れた。
「待ってたよ、令菜!、ほら!入って入って」
そう言って令菜を招き入れる。
「お邪魔しまーす」
唯の部屋に入ると、そこに広がるシックなデザインに目を奪われた。
令菜は唯の部屋に入ると、ウッド調のインテリアが目に飛び込んできた。壁には油絵が飾られ、温かみのある雰囲気が漂っている。左に目を向けると唯のベッドがあり、白と茶色のコンビネーションで、部屋によく調和していた。その上には熊のぬいぐるみが大切そうに置いてある。
「素敵な部屋だね、唯。」
令菜は部屋の雰囲気に感嘆しつつ、唯を褒め称えた。
「ありがとう!自分でデザインしたんだよ。」
「それにこの油絵すごく好き」
「私もこの絵を気に入ってるんだ!この絵はお母さんが描いたの。確か、フランスの街並みだった気がする。」
「唯のお母さんも絵を描くんだね」
「そうだよ、お母さんの影響で絵に興味を持ったの。」
唯はそう言って令菜を見つめると
「令菜のそのワンピース、すごく似合ってるよ!」と、唯は令菜のワンピースを褒め称えた。
令菜はうれしさと照れくささで頬を染め、恥ずかしそうに笑った。
「えっ、そう?ありがとう!でも、恥ずかしいな…」と令菜は言いながら、手で顔を隠した。
唯は微笑みながら、令菜の手をそっと取って、顔を覗き込んだ。
「そんなに照れなくてもいいよ。似合ってるって、ほんとうだから。」
令菜は唯に見つめられてますます顔を赤くする。
「令菜、そこに座ってて。今紅茶を準備しててもうすぐできるから。」
唯はキッチンに向かう。
「紅茶まで入れてくれてありがとう。」
そう言って令菜は腰を下ろす。
しばらくすると、唯がケーキと紅茶を運んできた。
「おまたせ~、今日はショートケーキとガトーショコラだよ~」
ショートケーキは真っ白な生クリームがたっぷりと盛られ、その上には新鮮で美しく輝く苺が並んでいる。見るからに肉厚な苺の鮮やかな赤色が、白いクリームに映えて、まるで芸術作品のように美しく、食欲をそそる様子は、まさに絶品と言うにふさわしい。
その横にはダークチョコレートが贅沢に使われ、その濃厚な香りが部屋中に広がる。ガトーショコラの見た目は、ショートケーキとはまったく異なるが、その美しさには、何か魅力的なものがある。
「わぁぁ~!おいしそう」
令菜はショートケーキを見た瞬間、口の中で唾液が溜まるほど美しく見えた。
「ショートケーキとガトーショコラどっちを食べたい?」
「ショートケーキ!!」
そう言うと唯は「はい、どうぞ」と言ってケーキと紅茶を渡す。
「いただきまーす。」
令菜はショートケーキを一口食べると、ふわっとしたスポンジケーキとなめらかな生クリーム、そして甘酸っぱいイチゴのハーモニーが広がり、口の中で幸せな気分になる。
「おいしい!!!」
「よかった!このガトーショコラもすごくおいしいよ」
そう言って唯は令菜に
「私もショートケーキ食べたいな、一口交換しようよ!」そう言って唯は口を開く。
令菜はケーキをフォークで切り分け、唯の小さく柔らかな口元に運ぶ。
唯が令菜のフォークを咥える姿を見て、令菜は思わず息を呑んだ。
令菜は彼女の口元を凝視していた。
そのピンク色の唇が、フォークに絡まったクリームや苺とともに、甘美な誘惑を放っているように見えた。令菜は自分でも気付かないうちに、唇を舐めたり、噛んだりしてしまうほど、唯の口元に夢中になっていた。
唯はゆっくりとフォークを口から離すと、その先は唾液でつややかに艶めかしく濡れていた。
令菜は、無意識のうちに艶やかなそのフォークの先を見つめ、ゆっくりと自分の口元に運ぶ。
ほのかなガトーショコラの甘い香りと、唯の唾液が令菜の口の中で混ざり合い、令菜の舌を刺激した。瞬間、彼女は美味しさと興奮に包まれ、唯との距離がますます近くなっていくことを感じた。唇から漏れる低い吐息が、周りの空気を熱くしていく。
唯は不思議そうに
「どうかしたの?」と令菜に聞く。
令菜は「しまった!!!」と我に返り、甘えた声で、「私もガトーショコラ食べたいな~」とごまかす。
「ハイ!どうぞ~」
令菜はガトーショコラを口にすると、外側はカリッとした食感がありながら、中はとろりとしたチョコレートが口いっぱいに広がる。
「うん!なんか大人の味がする!」
「令菜はお子ちゃまだな~」と言って笑う。
「でも、すごくおいしいよ!」
そう言って紅茶を口にし話題を変えようとする。
「唯って兄弟はいるの?」と聞くと
「3つ上のお姉ちゃんがいるよ、令菜は?」
「私は一人っ子、いいな~兄弟がいて」
「そうかなぁ、一人っ子だと両親の愛をいっぱい受けれるからうらやましいと思うよ」
そう言って、立ち上がろうとしたとき
ガチャッ!!
唯の手がコップに引っ掛かり、中の紅茶が唯のズボンにこぼれてしまった。
「あっ、ダメっ!」
唯は慌ててコップを取り上げたが、すでに遅かった。紅茶が唯のズボンに染み込み、湿った感触が唯の肌を包んだ。
「大丈夫? どこか熱くない?」
令菜は唯のズボンに手を伸ばし、触れる。しかし、唯の脚は熱くもなく、令菜はひと安心した。
「うん、大丈夫。でも、ズボンが濡れちゃった……」
唯はズボンを拭きながら、「着替えてくるね、少し待ってて」
そう言って脱衣所に向かう。
そしてなんと下着姿のままクローゼットに向かってきた。
令菜は思わず目を見開いた。
令菜は、唯が透き通る淡い水色の下着を身に着け、歩くたびにTシャツの裾からのぞくかわいらしい白いリボンに目が釘付けになった。そのリボンはまるで唯の無邪気な性格を表しているかのように、令菜の心を鷲掴みにした。そして、この光景を決して忘れないと思った。
唯はクローゼットに向かうと代わりのズボンを探す。
令菜は唯の後ろ姿をじっと見つめながら、唯の白い肌の柔らかさやなめらかさを想像していた。唯の肌はまるで綿菓子のように柔らかく、透き通るような白さがあり、触れたら指先が沈み込んでしまいそうだと思わせるほどであった。特に、唯の太ももの部分はまるで芸術的な彫刻のように美しく、令菜はその美しさに見とれてしまった。
透けるような薄手の生地が唯のお尻の輪郭が浮かび上がった。白くて滑らかな肌は傷一つなく、まるで赤ちゃんのように柔らかそうだった。令菜は目を奪われ、唯のお尻の弾力的な動きに思わず見とれてしまう。そして、唯が再び立ち上がると、令菜はそのふとももに目を移した。
中腰になるたびにお尻の割れ目がそっと覗き見せ、深い色合いが透けて見えた瞬間からだった。その弾力のある形状に令菜は、自分自身が唯のお尻に手を伸ばして触れているかのように感じた。それほどまでに、唯の透き通る白い肌に触れたいという願望に駆られたのだ。令菜は、この瞬間を忘れることはできず、彼女の頭には、唯の美しさと官能的な魅力が焼き付いた。
令菜の身体は火照りを覚えた。胸が高鳴り、思わず唇を噛みしめた。まるで身体中に熱い電流が走っているかのように感じられた。そして、令菜は自分の反応に戸惑いながらも、目の前の唯に熱い視線を送り続けた。
唯が着替えを終えると、こちらを振り向いた。令菜は恥じらいながらも、見ていたことを悟られないように、うまくごまかす。唯の微笑みが、令菜の胸をドキドキさせ、心の奥で熱くなっていくのを感じた。唯が着ていた下着の色と素材が、彼女の想像力を掻き立て、深い感情を呼び起こしていた。
「せっかく来てもらったのにごめんね」と謝る。
「そんなことないよ、すごく楽しかった。」
外を見るともう暗くなっていることに気が付いた。「もうこんな時間だね、そろそろ帰らなきゃ」
そう言って令菜は「今日はありがとう。今度は私の部屋に遊びに来てね。」
唯は微笑んで「いいよ、楽しみにしてるね」と返答した。
唯と挨拶を交わし、自分の部屋に向かって歩き出す。唯は令菜の後ろ姿を見送り、彼女が階段を降り見えなくなるまで立っていた。
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