第16条 賠償予定の禁止
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
【解説】
これはあれだね。ほら、あれだよあれ。
……うん。ごめん。忘れてた。
労働契約の不履行っていうのは遅刻したり欠勤したり早退したりサボったりして働かない時間があったり、会社の真っ当な命令に従わなかったり、なんか過失で会社に損害が発生したりとか。
違約金というのは、この契約に違反したら会社に300万円払えとか、1年以内に退職したら300万円払えとか、そういうこと。なぜ津多の頭に300万円という金額が浮かんできたのかは永遠の謎です。
損害賠償額を予定するとは、なんかやらかして会社に損害が発生した場合に、弁償する金額が先に決まっていること。
なんていうか、あれですよ。犯罪組織で働かされて、何かと理由を付けられて死ぬまでただ働きさせられるようなケースを防ぐための条文なんじゃないかなと思われます。
じゃ、違約金と弁償額の予定について、ちゃちゃっと説明します。
以前に説明したとおり、ノーワークノーペイ、働いていない奴には金は払わねえぜの原則がありまして……、あ、これもちょっと追加説明が必要だな。
労働基準法で給料の対象になる労働っていうのは、なんか仕事を美化というか高みにおくというかそういう人が言う仕事とは全然方向性が違います。あれですね、ただやっただけじゃ仕事なんて呼べねえよ! とかそういうあれとは違うんです。ざっくり会社に拘束されている時間だとでも思っていればとりあえずはオッケーです。
さて、多くの会社では遅刻、早退、欠勤、サボりは時間分の給料を引くぜ、ってなってると思うんですけど、これは原則的に
弁償額の予定は、禁止されているのは金額の予定だけで、損害を被った金額を弁償しろと会社が労働者に請求することはアウトではないです。ただまあ、なんやかんや裁判になったりすると、会社が全額賠償請求できるのは故意(わざとやった)か重大な過失(お前、普通それやったらやばいって分かるやん)くらいなもの。なんでかっていうと、会社は労働者をしっかりと教育も管理もしないといけないし、働く以上はなにかしらあるに決まってるやん、ていう前提があるからです。
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