第18話 ネクストラウンドへの備え

「クッ!!」

 私たちは、立ち上がり再度ナイフを構える。

「あの一つのお聞きしてもよろしいでしょうか?」

 ベルファストは私たちにそう言ってきた。

「何だ?」っと姉さんが答える。

「ルイス様はどこに居られますか?」

 姉さんはベルファストにそう聞かれたので──

「殺したよ。私たちの手でな」

 ベルファストに対して姉さんは言う。

 しかし、ベルファストは顔色一つ変えずに──

「はて、何を言っておられるのですか?」

 そうベルファストは何故か首を傾げた。

「だから、お前の主を私たちが倒したんだよ」

 姉さんは、主が死んだことが理解出来ていないベルファストに対して再度言うと、

「失礼ながら言わせていただきますが──」

 少し間を開けてその言葉を発した。


「いつ、ーっ! お前らごときの雑魚にやられたのかっ! 言ってみやがれええぇぇぇぇっ!!」


 ベルファストの声色が変わると同時に魔力の質と流れが変わった。

「「──ッ!! ま、まさか!?」」

「うおおぉぉぉおぉぉぉーーっ!!」

 ベルファストの周囲の魔力が大気を震わせ、スラム街の建物にヒビが入り崩壊する。

「キャアーっ!!」

 私は彼女が発する魔力で発生した風の勢いで飛ばされた。

「エメラ!」

 私の腕を姉さんが掴み、私たちは飛ばされないように何とか踏ん張る。

「はあああァァァアァァァーーッ!!」

 魔力をさらに高めるベルファストの髪色や体格などが男の体つきへと変化し始めた。


 ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆


「ふぅっ」

 俺は目の前にいる姉妹を一瞥いちべつする。

「よぅ」

 姉妹に対して知り合いに会ったかのように、俺は話しかけた。

「お前……死んだはずじゃ……」

「あ〜、それは俺が作ったデコイだ。よく出来ているだろう?」

 彼女の質問に対して俺は丁寧に笑顔で説明する。

「あ?」

 二人はナイフを構え直し、殺気立つ荒げた声で叫んだ。

「「何度でもお前をぶっ殺して地獄に落としてやるよ」」

 闘志はまだ残っているのか。なら、まだ楽しめるな。

「さぁ〜て、第二ラウンド始めよっか! 地獄の地獄の──セカンドステージだ」

 俺は悪魔的笑みを二人に向けるのだった。

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