選別列車は地獄行き

「切符を拝見します。どうぞ、快適な旅を」


 この客は保有者だから乗車可能だ。


「切符を拝見します。お客さん、困りますね」


 この客は身体に所持していないから乗車不可だ。


「切符が無いなんて馬鹿ね」


 先に乗車した客は最期まで嘲笑ちょうしょうしていた。自分が所持しているそれが、地獄行きの切符だとも知らずに。

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