第24話
「なんだテメェはぁっ!! 何勝手に人の車乗ってんだよ!?」
男は目の前の状況に対し、怒声を張り上げていた。
何故なら運転席には、見知らぬ人物が居座っていたのだから。
「オイどうした!?」
「何叫んでんだよ?」
怒声に気付いた二人が、運転席の方へと寄り集まってくる。
「コイツが勝手に俺の車に乗ってんだよ!!」
運転席の人物は、いきり立つ三人を尻目にゆっくりと地へ降り立つ。
その得体の知れぬ雰囲気に何かを感じ取ったのか、三人は無意識に後ずさっていた。
“少なくともまともじゃ無い”
黒衣を纏った、それと相反する燃える様な銀色。
「お前達の行き先は欲望の果てでは無い……」
その深い銀色の瞳で三人を見据えて。
「逝き着く先はただ……地獄のみ」
コードネーム『雫』はそう、事も無げに宣告していた。
「はぁ? なに寝惚けた事言ってやがる!!」
「あっぶねぇ目しやがって!!」
「テメェどこの馬鹿よ!?」
飛び交う三人の怒号。
見知らぬ者に車に勝手に乗り込まれたのみならず、突然地獄行き等宣告された処で、理解出来ず混乱するのは当然の事だろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます